猛暑が続く中、注意が必要な疾患として、下肢静脈瘤が挙げられる。
韓国の水原（スウォン）ナヌリ病院胸部外科のシン・チョンモク所長は、「夏は特に下肢静脈瘤患者が多い」と述べ、「人間の体は暑い日差しにさらされると、体内血管が拡張され静脈機能の働きが低下して血液循環が妨げられる。血管が拡張すると、血液が脚にたまり周囲の筋肉や皮膚、神経組織を圧迫することで痛みが生じる」と明らかにした。
下肢静脈瘤は、脚の静脈の壁に大きな負担がかかり、弁に異常が生じることで血管が拡張して発生する疾患であり、静脈とは、静脈壁が内部の圧力でコブのように腫れることから静脈瘤と呼ばれる。
発病原因は様々だが、代表的なものとして加齢に伴い静脈壁や静脈内弁が弱まり、裂けることによって発症する。特に男性に比べて女性に2〜3倍多く発症が見られる。
このような状態が長期間続くと、静脈の圧力が高まり、血液の逆流を防ぐ弁などが損傷し、下肢静脈瘤が発症する。主な症状としては、だるさ、痛み、疲労感、頻繁な脚のむくみ、痙攣を引き起こす。
脚の痙攣症状が頻繁に起きても、必ずしも下肢静脈瘤であるとは限らない。過度な運動で大量に汗をかいたり、アルコールやコーヒーを頻繁に摂取する場合、電解質不足によって脚の痙攣が起こることもある。
しかし、ふくらはぎや脚に頻繁にこむら返りが起こり、静脈が皮膚の外側に浮き出て見えた場合、下肢静脈瘤の疑いがある。また、△10分程度の運動で脚が痛む △少し歩くだけで疲れる △刺すような痛みがある △脚にあざができやすい △血管が浮き出ている△足首周辺に湿疹や皮膚潰瘍があるなどの症状がある場合は、医療機関を早めに受診することが必要だ。
下肢静脈瘤の治療は、ドプラ超音波検査、CT下肢静脈撮影などの検査によって疾患を正確に診断し、保存療法から血管硬化療法のような注射治療、レーザー、静脈高周波、ベナシールなどの手術治療方法がある。
術後、あざ、痛み、張り、熱感、むくみなどの症状が現れることがある。これは治療後に血管が体内に吸収される過程で現れる自然な症状であり、1〜2ヶ月の間に症状は解消され、冷湿布や軽いウォーキングが回復に役立つという。
水原ナヌリ病院・非手術センターのキム・ナムウ医師は「下肢静脈瘤は早期に発見し、管理するほど治療にかかる費用や時間を抑えることができる」とし、「血管を傷つける原因となる喫煙や過度な飲酒、塩分の多い食事を控えるべきだ」とアドバイスした。