昨年7月、米共和党ドナルド・トランプ前大統領の暗殺を試みた犯人が、民主党のジョー・バイデン大統領の政治イベントも検索していたことが明らかになった。米捜査当局は、犯人の政治的傾向が不明であるため、犯行動機の把握が困難であると述べた。
CNNなどの現地メディアによると、米連邦捜査局(FBI)のペンシルベニア州ピッツバーグ事務所を代表するケビン・ロジェック捜査官は28日(現地時間)、記者らに銃撃事件の捜査状況について説明した。
先月(7月)13日、ペンシルベニア州バトラーの農場博覧会場で、20歳の白人男性トーマス・マシュー・クルックスが、共和党大統領候補として選挙キャンペーンに出ていたトランプ前大統領を狙撃し、負傷させた。クルックスは現場で死亡した。
ロジェック捜査官は「クルックスのオンライン検索履歴を調べた結果、彼が特定のイベントを攻撃するために、持続的かつ具体的な努力をしていたことを確認した」と述べた。また、「これはクルックスが複数のイベントまたは標的を検討していたことを意味する」とし、彼が昨年9月にトランプ前大統領の選挙キャンペーン日程およびペンシルベニア州訪問日程を検索していたことを説明した。
クルックスは昨年4月から7月の間に、トランプ前大統領のスケジュールだけでなく、民主党大統領候補だったバイデン大統領の選挙キャンペーン日程も一緒に検索していた。彼が狙撃前30日間に検索した記録には、共和党と民主党の党大会日程のすべてが含まれていた。
ロジェック捜査官は「クルックスは7月初めにトランプ前大統領のバトラー選挙キャンペーンが発表されたとき、そのイベントに非常に集中していた」と述べ、トランプ前大統領の選挙キャンペーンを「計画外の機会と見なしていた」と語った。
ロジェック氏は、クルックスが7月6日、バトラー選挙キャンペーンに参加申し込みをした後、「バトラー博覧会場トランプ演説場所」、「バトラー博覧会場演壇」、「バトラー博覧会場写真」を検索したと伝えた。
クルックスは7月8日に「AGRインターナショナル」を検索しており、その企業は彼が狙撃を行った際に上がっていた倉庫を所有していた。また彼は7月9日に「弾道計算機」を検索し、翌日には「天気」と「バトラー」を検索した。
ロジェック捜査官はまだクルックスが「左派と右派に関係なく、明確なイデオロギー(概念と思想)傾向が見られない」と説明した。この件に関してFBI国家安全保障局のボビー・ウェルズ補佐官は「現時点ではクルックスの犯行動機を把握できておらず、クルックスの犯行を事前に知っていた共犯者や協力者も確認できていない」と説明した。さらに「クルックスが外国組織から犯罪の指示を受けた証拠はない」と付け加えた。
一方、トランプ前大統領は27日のインタビューで、バイデン大統領に代わって民主党大統領候補として立候補したカマラ・ハリス副大統領まで言及し、今回の銃撃事件が「私の考えではある程度バイデン大統領の責任であり、ハリス副大統領の責任でもある」と主張した。
トランプ前大統領は民主党政府が司法省などを利用して自分を捕まえようとしたとし、「彼らは私の健康や安全にはあまり関心がなかった」と強調した。