知的障害を持つ10代の娘に、性教育目的でポルノ動画を見せたという50代の実父が執行猶予を言い渡されたことが明らかになった。
韓国の済州(チェジュ)地方裁判所刑事2部(ホン・ウンピョ部長判事)は去る12日、性暴力犯罪の処罰に関する特例法違反などの容疑で拘束起訴された50代のA氏に対し、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年を言い渡したという。
また、40時間の性暴力治療プログラムの受講および4年間の児童・青少年および障害者関連機関への就業制限も命じた。
A氏は、去る4月25日頃、済州特別自治道にある自宅のコンピュータで、知的障害を持つ10代の娘Bさんにポルノ動画を見せたという疑いで裁判にかけられた。彼は動画を見せながら「後に男と付き合うことになったら、こんなふうに触られるかもしれないよ」などの発言もしたという。
A氏は裁判で起訴事実をすべて認めたが、娘がネット上などで知り合った男性と性行為をすることを懸念して教育の一環であったとし、わいせつ行為の意図はなかったと述べた。
また「今まで、ネット上に娘の身体の写真が掲載されたことが何度もある。娘には(チャットを)するなと何度も話してきたが聞かなかった。そのような誤った行動を防ぐために行ったことだった」と主張した。
さらに「性教育目的でアダルト動画を見せただけだ。後に娘がネット上などで知り合った男性と性行為をしてしまった場合のことを心配して、教育しようとした」とし「悪い父親となってしまうのではないかと思ったが、どうすることもできなかった。間違った判断をしてしまったということは、心底感じている」と付け加えた。
A氏の弁護人も「被告は最終学歴が小学校であり、性教育を受けたことがない。被告自身も性に関する価値観がしっかりしていない状態で犯行が行われたことを考慮してほしい」と情状酌量を求めたという。
これに対し、裁判所は「被告には未成年である被害者を保護し、育てる責任があるにもかかわらず、不適切な行為を行ったことは非難すべき部分である」としながらも「犯行を深く反省している点、性教育の一環で犯行が行われたと考えられる点、悪意がないと考えられる点、同種前科がない点などを考慮して刑を決定した」と量刑理由を述べた。
写真=Pixabay