韓国の代表的な無形文化遺産であるアリランやパンソリなど、101件が中国の無形文化遺産として指定され、管理されていることが明らかになった。
近年、韓国の国家遺産庁から「中国が自国の無形文化遺産として指定した韓国由来の遺産の状況」に関する資料を受け取った韓国文化体育観光委員会所属のパク・スヒョン民主党議員は、朝鮮族関連という名目で中国国家級無形遺産に20件、省級遺産に81件の韓国由来の遺産が指定管理されていると4日、明らかにした。
特に、中国国家級無形遺産20件のうち、韓国がユネスコに申請したのは5件のみで、残りの15件は対応がなされていないのが実情だ。このうち7件はユネスコに申請されるどころか、韓国内の国家遺産としても指定されていない。これらの7件は、ノルティギ(板を使った韓国の伝統的な遊び)、伝統婚礼、ヘグム(二弦の楽器)、トンソ音楽(トンソ=尺八に似た楽器)、三老人(朝鮮伝統の漫談)などであり、現在は中国の無形文化遺産としてのみ残っている。
パク議員は「中国による文化的主張に対する韓国政府の安易な対応は、基本的な立場と一致している」と指摘した。
中国が韓国の無形文化遺産を自国のものとして指定する問題に対する議員室の書面回答要求に対し、国有庁は「中国が朝鮮族無形文化遺産をユネスコリストに申請する場合、外交部など関係機関と緊密に協議して対応する」という立場を示した。
これに対しパク議員は、「あえて中国がユネスコリストに申請するまで待ってから対応する必要があるのか疑問だ。政府の立場がこのようであるため、基本的な事実関係の把握や対策の努力が見られない」とし、「過去の事例から何らかの教訓も得られなかった政府の職務怠慢に他ならない。文化と歴史の問題は長期間にわたる徹底的な準備と努力が必須だ」と批判した。
中国は国家級無形文化遺産として指定した20件の韓国由来の遺産の一つである農楽舞(農村で収穫時に豊穣祈願のために行われる楽舞)を2009年にユネスコに人類無形文化遺産として登録した。韓国は5年後の2014年になってようやく農楽をユネスコに登録し、対応が遅れた経緯がある。
一部では「2009年中国農楽舞ユネスコ登録」という事例に困惑しながらも、2024年現在まで十分な検討や代案がなされていない点について、15年間職務が怠っていたのではないかという批判が出ている。
パク議員は「政府の深刻な歴史・文化認識の欠如が再確認された。貴重な韓国の文化資産を守るために、政府の先制的な対応を強く求める」と強調した。