日本でも若手社員の大半が管理職を目指したくないと考えているのと同様、海外でも「Conscious Unbossing(あえて管理職にならない)」というトレンドが広がっている。
最近、英国紙「ガーディアン」や「タイムズ」などによると、多国籍人材紹介会社「ロバート・ウォルターズ」がイギリスの「Z世代(1990年代後半~2010年代前半生まれ)」を中心に昇進に関する調査を行った結果、回答者の52%が「中間管理職を目指していない」と答えたという。
また、回答者の69%が「中間管理職になるとストレスは増加するが、報酬は依然として低い」という認識を持っていた。
一方で雇用主の89%は「中間管理職が組織で重要な役割を果たしている」と現在も考えているという。
ロバート・ウォルターズのディレクターであるルーシー・ビセットは「Z世代は管理職として他社をマネージメントするのに時間を費やすよりも、プロジェクトに対して自身をコミットさせることを重視している」と分析した。
さらに「Z世代はリーダーシップに対するリスペクトがないわけではないが、中間管理職の役割をストレス、限定的な裁量、ワークライフバランスの低下と関連づけて考えている」と説明した。
韓国でも似たような調査結果が明らかになった。
昨年、求人プラットフォームの「ジョブコリア」が「MZ世代(1980年代初頭~2000年代初頭生まれ)」の社会人1,114名を対象に実施したアンケート調査では、回答者の54.8%が「役員に昇進すると思っていない」と答えた。
回答理由は「重い責任を負わなければならないから」という回答が全体の43.6%を占め、続いて「役員昇進は現実的に無理だと思うから」(20.0%)、「ワークライフバランスが実現できないから」(13.3%)、「役員を目指す気持ちがないから」(11.1%)、「会社生活を長く続ける気がないから」(9.8%)の順となった。