メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

孤立する高齢者の実態、うつ病と自殺問題の深刻な背景とその対策

川田翔平 アクセス  

韓国社会では、高齢者の孤独やうつ病といった精神的な問題に対する社会的認識はあまり高くない。韓国は急速な経済成長を遂げてきたが、その一方で高齢者のためのインフラやメンタルヘルスへの支援、社会的共感を十分に育む機会がなかったのが現状だ。特にメンタルヘルス問題は、年齢を問わず「個人が解決すべき問題」と見なされてきた。

韓国の高齢者のうつ病「危険水準」

韓国の高齢者が孤独やうつ病に苦しむ原因を一概に特定するのは難しいが、経済的な貧困が主な理由の一つだ。経済的に裕福な高齢者と比べて、貧困層の高齢者がより孤独やうつ状態になりやすいことは、私たちの日常生活でも実感することができる。

韓国の高齢者は、世界の主要国の中でも特に貧困率が高いことが明らかだ。2020年の経済協力開発機構(OECD)の調査によると、65歳以上の高齢者の所得貧困率は40.4%であり、OECD平均の14.2%の約3倍に達する。アメリカ(22.8%)や日本(20.2%)よりも遥かに高い数字だ。

もちろん、この調査は資産価値を考慮せずに所得を基準としているため、他国と比較して年金所得が低く、総資産の大部分が不動産に偏っている韓国の現状を十分に反映していないという指摘もある。しかし、韓国の高齢者の貧困問題は孤独やうつ病の問題を解決するための重要なポイントであることは間違いない。

人口構造の変化により、一人暮らしの高齢者も急増している。24日の統計庁の発表によれば、昨年の高齢者単身世帯数は213万8000世帯で、全体の9.7%を占めている。つまり、10世帯に1世帯は高齢者の一人暮らし世帯ということだ。

貧困で孤独な高齢者ほど、より強い鬱傾向にあることが明らかになっている。2015年の韓国保健社会研究院の研究結果によると、独居高齢者や学歴が低く、都市部よりも農漁村に住む高齢者が、貧困とうつ病にさらされやすいとされている。また、貧困とうつ傾向には正の相関関係があり、統計的にも有意であると分析されている。

17日に保健福祉部が発表した高齢者実態調査の結果でも、独居高齢者が「健康である」と答えた割合は34.2%で、高齢者夫婦世帯の48.6%と比べて低く、うつ症状を持つ割合も独居高齢者は16.1%、高齢者夫婦は7.8%で、2倍以上の差が見られた。

うつ病は全年齢層で見られるが、高齢者が全体の患者数の大部分を占めており、社会問題として浮上しているメンタルヘルスの課題の中心となっている。

うつ病が自殺に直結する現実

高齢者のうつ病が深刻なのは、自殺につながりやすいためだ。国家人権委員会によると、韓国はOECD諸国の中で高齢者の貧困率が非常に高い一方、高齢者自殺率でも圧倒的な1位を占めている。高齢者の自殺率は人口10万人あたり42.2人で、OECD諸国の平均である16.5人を大幅に上回っている。

2023年の保健福祉部の自殺死亡統計によると、年齢別自殺率において高齢者の割合が他の年齢層に比べて著しく高いことが示されている。年齢層別の自殺率をみると、80歳以上は10万人あたり59.4人で最も多く、次いで70代が39人、60代が30.7人となっている。年齢が上がるほど自殺率も高くなる傾向が見られる。2013年と比較すると、韓国全体の自殺者数は減少し、高齢者人口10万人あたりの自殺率も低下しているが、高齢者の自殺率は依然として他の年齢層を大きく上回る高い水準だ。

川田翔平
editor@kangnamtimes.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • スマホが高くなるのに進化しない、メモリ高騰が生んだ最悪の選択
  • 「夫は私を満足させられない」息子の友人を自宅に呼び…アメリカで起きた事件の全貌
  • 「全員裸だった」バンコクのホテルで集団パーティー摘発、SNS有料会員制の実態
  • 「角膜も3Dプリントで作れる!?」イスラエルで歴史的手術、“人工角膜移植”で失明患者が視力回復!
  • 「強硬に出ればそれが最後だ!」トランプ、マドゥロ政権に警告、原油封鎖で“体制転換”圧力全開
  • 「最先端のはずが」...停電でロボタクシーが集団フリーズ!サンフランシスコ交差点が“巨大駐車場”に

こんな記事も読まれています

  • 日産が中国で“コスパ怪物”投入、中国EVの土俵に立った瞬間
  • 冬の朝に増える“立てワイパー”、メーカー設計とズレた使い方が痛手に
  • 「来年、本当のEV戦争が始まる」第3世代電気自動車に世界が注目する理由
  • 「最先端だからといって最善ではない」便利の裏で広がるユーザーの不満連鎖
  • 「一週間で体が変わった」栄養士が毎日食べたブロッコリーの結果
  • 「マスクだけでは足りない」空気が悪い日の健康管理法
  • 「同年代より若く見える理由」老化を二倍遅らせた多言語の力
  • スマホが高くなるのに進化しない、メモリ高騰が生んだ最悪の選択

こんな記事も読まれています

  • 日産が中国で“コスパ怪物”投入、中国EVの土俵に立った瞬間
  • 冬の朝に増える“立てワイパー”、メーカー設計とズレた使い方が痛手に
  • 「来年、本当のEV戦争が始まる」第3世代電気自動車に世界が注目する理由
  • 「最先端だからといって最善ではない」便利の裏で広がるユーザーの不満連鎖
  • 「一週間で体が変わった」栄養士が毎日食べたブロッコリーの結果
  • 「マスクだけでは足りない」空気が悪い日の健康管理法
  • 「同年代より若く見える理由」老化を二倍遅らせた多言語の力
  • スマホが高くなるのに進化しない、メモリ高騰が生んだ最悪の選択

おすすめニュース

  • 1
    「1日2本でも危険!」少量喫煙でも“死亡リスク”60%増...禁煙こそが“最善策”

    ライフスタイル 

  • 2
    「子ども1人で2,100万円超」高校卒業までにかかる“現実の子育てコスト”が判明

    トレンド 

  • 3
    【驚愕】”1時間4万円”で心身リラックス?米で流行中のセラピーとは?

    トレンド 

  • 4
    「女性の子宮を搾取した!」代理出産で四つ子を授かった台湾の‟同性カップル”に批判殺到

    トレンド 

  • 5
    デビュー22年目の初快挙――人気アイドル出身歌手キム・ジェジュン、芸能大賞で優秀賞を受賞

    エンタメ 

話題

  • 1
    脳の健康を保ちたいなら”1日10分”これをやれ!脳専門医が推奨

    フォトニュース 

  • 2
    クリスマスソング旋風の中でも揺るがず…21世紀ポップアイコン テイラー・スウィフト、ビルボード首位を死守

    エンタメ 

  • 3
    新年はfromis_9と共に――ファンの声に応えた特別な2日間❄アンコール公演「NOW, TOMORROW.」開催決定

    エンタメ 

  • 4
    「私とは全く関係ない」芸能界に広がる“注射おばさん”疑惑、コメント欄の疑問に率直回答

    エンタメ 

  • 5
    「トーストの匂いに潜む衝撃」超微細粒子が分あたり1兆7300億個!

    ヒント 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]