米カリフォルニア州で、ガラガラヘビに噛まれた2歳児の医療費が約4400万円に上り、話題となっている。ワシントン・ポスト紙が先月30日(現地時間)に報じた。
2歳のブリッグランド・ペッパー君は、自宅の裏庭で兄弟と遊んでいた際にガラガラヘビに噛まれた。母親のリンジーさんが直ちに救急通報し、同州エスコンディードのパロマール・メディカル・センターに搬送された。
搬送時、ブリッグランド君の手は著しい腫れと紫色の変色が見られた。医療チームは静脈からの抗毒素投与が困難を極め、複数回試みた末、骨髄への直接投与を実施。抗毒素「アナビプ」を投与後、ラディ小児病院へ転院となった。
その後、アナビプの追加投与により症状は改善。2日後には状態が安定し退院した。母親のリンジーさんはCBS8の取材に対し「誰もが最悪の事態を覚悟していた。本当に運が良かった」と振り返った。
しかし、退院後に届いた医療費は29万7461ドル(約4540万円)に達し、ペッパー家族を驚かせた。請求内訳には救急搬送2回分、救急処置、小児集中治療などが含まれ、特に抗毒素費用が高額となった。KFFヘルスニュースによると、投与されたアナビプ30本について、エスコンディード病院が1本あたり9574ドル(約145万円)、ラディ小児病院が5875ドル(約89万円)を請求したという。
最終的に、加入先の保険会社「シャープ・ヘルス・プラン」が抗毒素費用の引き下げ交渉に成功。大半が保険でカバーされたものの、ペッパー家族は自己負担限度額7200ドル(約109万円)に加え、1万1300ドル(約172万円)の支払いが必要になるとされている。
バンダービルト大学メディカルセンターの医療政策部教授、ステイシー・ドゥセチナ氏はワシントン・ポストの取材に対し、「高額な医療費請求を受けた場合は、病院側との交渉を検討すべきだ」と指摘。「病院側も請求額の高さを認識しているため、減額に応じる可能性が十分にある」とアドバイスしている。