ドナルド・トランプ次期大統領はより強力になって返り咲いた。8年前に提唱した「アメリカファースト」はさらに精緻化され、トランプ次期大統領は共和党の異端児から主流派へと変貌を遂げた。
保守優位の連邦最高裁に続き、上院に加え下院でも共和党が勝利して事実上「三権」を掌握し、政権運営の障壁も消失した。「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」を掲げて再登場したトランプ時代の到来により、世界情勢の不確実性はさらに高まることとなった。
7日午前10時(日本時間)の時点で、トランプ次期大統領は295人の選挙人を確保した。まだ勝敗は確定していないが、ネバダ州とアリゾナ州でも約5ポイントリードしており、312人の選挙人を獲得する可能性がある。
トランプ次期大統領は7つの激戦州を制し、過去2回の出馬の際とは異なり、全国得票率も50.91%を記録して、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を上回った。歴史的接戦との予想を覆す「圧勝」となった。
ワシントン・ポスト(WP)によると、共和党は上院選挙で既に52議席を確保して過半数を超えた。下院では過半数の218議席には達していないものの、当選確定ベースで204議席を獲得し、民主党の187議席をリードしている。未確定の44議席のうち14議席を共和党が獲得すれば、現在の下院に続き多数党の地位を維持することになる。
すでに連邦最高裁は9人の判事のうち6人が保守派で構成されている。事実上、三権全てが親トランプ派または保守派優位の構図となった。第1期トランプ政権で議会の反対や共和党内の反発、連邦最高裁の判決に阻まれていたトランプ次期大統領の政策が、今後はより自由に推進されると予想される。
一方、6日(現地時間)、ハリス副大統領は、トランプ次期大統領との電話会談後、「米国民主主義の基本原則は選挙で敗北した際にその結果を受け入れることだ」と述べ、敗北を認めた。ジョー・バイデン大統領は円滑な政権移行に向けて努力する意向を表明した。