喫煙経験のない女性が肺がんステージ4の余命宣告を受けた。
先月6日(現地時間)、英国メディア「ミラー」の報道によると、英国人女性メラニー・アーウィンさん(57歳)は、極度の疲労に悩まされていたが、これを新型コロナウイルス感染症の後遺症「ロングコビッド」と考えていた。しかし、今年3月に肺がんと診断され、末期の余命を宣告された。
アーウィンさんは「肺がんの典型的な症状である咳があったわけでもなく、ただ疲れやすいだけだったので、コロナの後遺症だと思っていた」と語った。また、「一度もタバコを吸ったことがなく、触れたこともない自分が肺がんにかかっていると知り、周囲の人々は皆驚いた」と述べた。
検査の結果、アーウィンさんは肺がんの原因の一つとして知られる「EGFR遺伝子変異」を持っていることが判明した。この遺伝子変異は非喫煙者でも肺がんを引き起こすリスク因子とされ、医学界によると非小細胞肺がん患者の約40%がこの変異を持っていると推定されている。
EGFRは正常細胞の成長と発達を調整するが、変異が起きるとがん細胞の増殖を促進し、アポトーシス(細胞死)を抑制してがんを引き起こす可能性がある。アーウィンさんは「遺伝子変異があれば、非喫煙者だとしても肺がんにかかる可能性がある。肺がある以上、全ての人が肺がんにかかるリスクがあるという事実を知ってほしい」と強調した。
英国のロイ・キャッスル肺がん財団によると、英国では毎日44人の女性が肺がんで亡くなっており、その数は乳がんと卵巣がんを合わせた死亡者数を上回っている。また、毎年肺がんと診断された人々のうち約25%が非喫煙者であったという。
CDCによると、米国内の肺がん患者の約10%から20%、つまり毎年約2万~4万件の肺がんは、タバコを一度も吸ったことがないか、もしくは100本未満しか吸ったことのない人々に発生しているとされている。研究者は、これらの非喫煙者の肺がんのうち約7,300件が受動喫煙が原因で、約2,900件がラドン曝露によるものであると推定している。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、肺がんは喫煙だけでなく、受動喫煙やラドン(自然に発生する放射性ガス)、大気汚染、肺がんの家族歴、アスベストなどさまざまなリスク要因で発生する可能性があると指摘している。