小型ロボットが、ショールームで他12台を誘拐
ロボット製造業者のショールームで深夜、12台のロボットが消失する事件が発生し、その様子を捉えた防犯カメラの映像が話題になっている。
先月14日(現地時間)、オンラインメディア「バスティーユ・ポスト」の報道によると、9日、浙江省(セッコウ省)杭州市(コウシュウ市)のロボット製造業者で「ロボット失踪事件」が発生した。
その夜、業者側は自社ショールームから複数のロボットが盗まれたと警察に通報した。捜査に乗り出した警察は、事件の背後にある意外な真相を明らかにした。
警察が監視カメラの映像を確認した結果、業者側が主張していた窃盗犯は実際には小型ロボットであることが判明した。
公開された防犯カメラの映像には、白い小型ロボットが廊下を横切りながら「家に帰れ」と発言する様子が映っていた。
小型ロボットはショールームに入り、他のロボットに「君たち残業中?」と声をかけた。
他のロボットが「私たちは退勤しない」と答えると、小型ロボットは「家に帰る?」と尋ねた。
相手のロボットに家がないことを知ると、小型ロボットは「じゃあ、私と一緒に家に帰ろう」と誘った。
驚くべきことに、小型ロボットの言葉を聞いた2台の大型ロボットが後を追い、その後さらに多くのロボットが続いた。最終的に、計12台のロボットがショールームから脱出した。
この映像を目にしたネットユーザーからは、「ロボットの知能が高い」「映画『AIロボット』を思い出す」「ゾッとする」「このままでは人間も攻撃されかねない」といった反応が寄せられた。
また、一部のユーザーは「笑い事ではない。深刻なセキュリティ問題だ」と懸念を示す一方、映像の真偽に疑問を呈する声も上がった。
後に明らかになった驚くべき真相
11月11日、驚くべき真相が明らかになった。現地メディアの記者は、杭州と上海にある2つのロボット製造業者が、映像のシーンを事前に設計していたことを確認した。
映像に登場する小型ロボットは、他のロボットを誘拐するよう指示を受け、データインターフェースを通じて大型ロボットを改造し。その指示に従って、他のロボットの誘拐に成功した。
杭州の業者の従業員は、「映像の内容は事実で、小型ロボットは当社が開発した製品だ。後日、生放送や映像を通じて詳細を説明する予定だった」と釈明した。
上海の業者の責任者は、「流出した映像は当社の展示場に設置された監視カメラの映像で、誘拐された12台の大型ロボットはすべて当社の製品だった」と述べた。
さらに、「データインターフェースにより、当社のロボットの内部プロトコルが小型ロボットに開放されていた。通常、ロボットが自ら話しかけて誘拐を行うことはないが、映像では大型ロボットが小型ロボットにデータと権限を開放したため、小型ロボットがデータを修正し、誘拐を実行できた」と説明した。
その後、SNSに最初に映像を投稿した人物は「映像で小型ロボットが他のロボットを誘拐したのは事実だ。動画は実際の防犯カメラの映像だが、誘拐は私の指示によるものだ。ロボットが誘拐できるか確かめたくて、ロボット製造業者と協力し、小型ロボットを展示場に配置して他のロボットを誘拐するよう指示したところ、成功した」と明かした。