ウォーキングは体への負担が少なく、カロリー消費が期待できる運動だが、強度が低いため、十分な運動効果が得られないこともある。そこで、ウォーキングの強度を上げ、より効果的にする簡単な方法を2つ紹介する。
1.スピードを上げる
歩行スピードを上げるだけでも筋力アップが期待できる。速歩きにより大腿部の筋力が強化され、筋肉の収縮と弛緩が活発になることで血行が促進され、血管の弾力性も向上する。
ゆっくり歩く時より多くの筋肉を使うため、心拍数も上がり、消費カロリーも増加する。目安としては、歩きながら会話や歌が難しくなる程度のスピードが適切だ。
継続的な速歩きが困難な場合は、速歩と通常歩行を組み合わせた「インターバルウォーキング」が効果的。例えば、5分間通常ペースで歩き、続く3分間は全身に力を入れて速歩きをするという方法だ。
この運動方法の特徴は、高強度運動後も十分な休憩を取らず、体力を回復しながら再び運動を開始する点にある。これにより、休憩中も酸素摂取量が高い状態を維持し、運動効果を持続させることができる。
そのため、休息時の酸素摂取量が運動時よりも高レベルを保ち、休息中も運動効果が継続する。
2.歩幅を広げる
歩幅を広げることも効果的な方法だ。狭い歩幅での歩行と比べ、より広範囲の脚部筋群を使うことができ、筋肉への刺激も増加する。
体が安定して立つためには、重心が重力の方向と平行である必要がある。しかし、歩幅を広げると重心が重力方向との平行を保てず、大きく傾くことになる。
歩幅を狭くしてゆっくり歩く場合、下腹部の筋肉を使って足首を上下させるだけで歩行が可能だ。一方、歩幅を広げることで大腿筋群や骨盤安定化筋も動員される。
体が安定して立つためには、重心が重力の方向と平行である必要がある。しかし、歩幅を広げると重心が重力方向との平行を保てず、大きく傾くことになる。
そのため、姿勢バランスを保つために筋肉の緊張が高まり、理論的には運動効果も向上するというのが専門家の見解だ。直接的な研究結果はまだないものの、体に力が入る歩き方となるため、運動効果も大きくなると考えられている。
また、歩幅を広げることで認知機能(学習能力や記憶力、言語能力など)が向上するという説もある。
ある研究では、被験者に歩幅を広げてもらい、fNIRS(機能的近赤外分光法)で脳の活性度を測定したところ、通常歩幅と比較して、歩幅を10cm広げた場合に脳血流が増加し、酸素飽和度も上昇することが確認された。
これにより、脳への栄養素供給が効率化され、脳機能が活性化されることで、認知機能の向上につながるという理論が示されている。