炎症がある人が、お化け屋敷のような場所で自発的に恐怖体験をすると、炎症を軽減できるという研究結果が発表された。
先月15日(現地時間)、デンマーク・オーフス大学の研究チームが国際学術誌「脳、行動および免疫」で、デンマークのヴァイレにある恐怖スポット「お化け屋敷」の訪問者113人を分析した結果を発表した。
研究を主導したマークM・アンダーソン博士は「この研究は、娯楽目的の恐怖体験が免疫反応を抑制する可能性を示唆している」と述べ、「これは急性ストレスが炎症細胞を寄せ、免疫系を潜在的な外傷や感染に備えさせるという以前の動物実験の結果と一致する」と説明した。
研究チームによると、恐怖と急性ストレス反応はアドレナリン系を活性化し、「闘争-逃走反応」を引き起こす。慢性的なストレスは健康に有害な「低度の炎症」と関連しているが、自ら選択した恐怖体験による短期的なストレスは免疫系に好影響を与えることが明らかになった。
研究チームは113人の参加者を対象に約51分間の恐怖体験イベントを実施した。イベント中は参加者の心拍数をモニタリングし、リッカート尺度(1-9)を用いて参加者が感じる恐怖レベルを記録した。
リッカート尺度とは、測定対象に関連する様々な項目を設定し、回答者の好悪や同意・不同意の程度を測定する方法を指す。また、恐怖体験の前と直後、そして3日後に血液サンプルを採取し、2つの炎症マーカーを測定した。2つのマーカーは「高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)」レベルと免疫細胞数だった。
研究チームはhs-CRPレベルが3 mg/L以上の場合を「低度の炎症」と定義し、参加者のうち22人がイベント前の血液検査でこの範疇に該当した。
研究結果によると、低度の炎症を持つ参加者の約82%(18人)が、恐怖体験から3日後の血液検査でhs-CRPレベルが約35%減少したという。免疫に関連する総白血球数とリンパ球数は、恐怖体験後に全体的に減少し、平均して正常範囲内であった。
韓国・ソウル大学病院健康増進センターの研究結果によると、hs-CRPレベルが3 mg/L以上の人は、1 mg/L以下の人と比べて、男性の場合はがん発症リスクが38%高く、女性は29%高かっという。さらに、全死因による死亡リスクは男性は61%、女性の場合は24%高かった。