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2024年11月25日月曜日
ホームニュースウクライナが米国提供の長距離ミサイルでロシア本土を初攻撃、ロシア「西側軍の介入の証拠」と反発

ウクライナが米国提供の長距離ミサイルでロシア本土を初攻撃、ロシア「西側軍の介入の証拠」と反発

ウクライナがブリャンスク州のロシア国境地帯にATACMSミサイル6発を発射した。19日午前3時25分(現地時間)、ロシア国防省は、ウクライナ軍が発射したATACMSミサイル5発を自国の防空システムが撃墜したと主張し、残りの1発は損傷を与えたと伝えた。ウクライナ側はこの攻撃を成功と主張し、西側の長距離ミサイルでロシア本土を攻撃した初の事例として注目を集めた。

米ロッキード・マーティンが開発したATACMS(エイタクムス)ミサイルは最大射程500kmを誇り、高速で飛行しながら精密に多様な目標を攻撃できる、短距離戦術弾道ミサイルだ。主に固定目標や高価値資産の攻撃に使用され、GPSと慣性誘導システムにより高い精度を実現する。発射プラットフォームはM270 MLRSとM142 HIMARSで、迅速な配備と高い機動性が特徴だ。

ATACMSは集束弾、高性能爆薬弾など多様な弾頭を搭載可能で、一部のバージョンでは小型ドローンのように個別ターゲットを破壊する多数の小型弾頭を搭載できる。このミサイルは米国のほか、韓国、ポーランド、ルーマニア、台湾など多くの同盟国で運用されている。特に、ウクライナは最近このミサイルでロシア本土を攻撃し、戦況に重大な変化をもたらした。

ウクライナによるロシア本土への攻撃は、米国がATACMSを提供し、使用を許可したという背景がある。ウクライナは数か月間、ロシア本土を攻撃できる長距離武器の提供を要請していたが、米国はNATOの直接介入につながる可能性を懸念し、拒否してきた。しかし最近、米政府はウクライナへの長距離ミサイルの提供を決定し、ロシア本土への攻撃が現実となった。一部では、バイデン大統領が退任前にウクライナへ最後の贈り物をしたとの見方もある。

今回の攻撃は、ウクライナが西側の支援を受けて直接ロシア本土を攻撃した初の事例であり、戦争激化の可能性を高めた。特に、ロシアは今回の攻撃を「西側軍のウクライナ介入の証拠」と見なし、プーチン大統領は再三警告を発している。ロシアは、ウクライナによる長距離武器の使用自体が西側の直接介入を意味すると主張し、米国の政策転換に強く反発している。

また、ロシアはこの日、自国の核ドクトリンを修正し、核兵器使用条件を緩和すると発表した。改正されたドクトリンには「核保有国の支援を受けた非核保有国による攻撃は共同攻撃とみなす」との内容が盛り込まれた。これはウクライナが西側の支援を受けて、ロシア本土を攻撃したことへの対応と解釈される。ロシアの高官らは、今回の攻撃が第三次世界大戦につながる可能性があると警告し、「ウクライナとNATOの主要施設に大量破壊兵器で報復する権利がある」と主張した。

専門家らは、今回の攻撃がロシアの反応を探るための限定的な攻撃である可能性も指摘している。ロシア国立研究大学経済高等学院のバシリー・カシン教授は「ブリャンスクを狙った単発の攻撃は、ロシアの実際の反応を試す一面を持っている」と分析した。また一部では、ウクライナが北朝鮮軍が配備されたクルスクを標的にする可能性も指摘されている。

米国はウクライナの要求を無視できない状況に置かれている。ウクライナへの長距離ミサイル使用許可が北朝鮮軍の軍事介入を背景にしているとの分析も出ている。米国はこれにより北朝鮮へメッセージを送ると同時に、ロシアの軍事的対応に備えているとみられる。

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