トランプ政権の2期目が迫る中、「人間プリンター」と呼ばれる33歳の女性、ナタリー・ハープ氏がドナルド・トランプ次期大統領の側近として注目を集めている。現地メディアによると、ハープ氏は2023年にトランプ陣営に加わり、トランプ次期大統領から絶大な信頼を得ているという。
米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」は25日、公式な肩書きはないものの、ハープ氏がトランプ次期大統領から圧倒的な信頼を受けていると報じた。記事では、「トランプ次期大統領は側近に忠誠を求めてきたが、ハープ氏ほどその期待に応える人物はいない」と評価している。
カリフォルニア州出身のナタリー・ハープ氏は、2015年に保守的傾向が強いバージニア州リバティ大学を卒業した。骨髄がんのステージ2と診断された彼女は、トランプ政権1期目の2018年に成立した「治療を試みる権利法」により命を救われた。この法は、重篤な患者が未承認の実験薬を使用できるようにするものだ。
2019年6月、ハープ氏は保守系政治集会で演説し、トランプ次期大統領への感謝の意を表明した。トランプ次期大統領は同年、フォックスニュースのインタビューでハープ氏を「若くて美しい女性」と称賛し、翌年の共和党大会に彼女を招待した。トランプ次期大統領はハープ氏を「スウィーティー」と呼び、まるで娘のように接しているとされている。米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」は、ハープ氏がトランプ次期大統領を「崇拝」または「熱狂的に支持」していると指摘している。
その後、ハープ氏は保守系メディア「ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク」のキャスターを務めた後、2022年にトランプ陣営に加わった。
現地メディアは、ハープ氏が米国歴代最高齢(78歳)で当選する可能性があるトランプ次期大統領と外部とのコミュニケーション窓口としての役割を担っていると指摘している。
トランプ陣営でトランプ次期大統領のSNSアカウントにアクセスできる数少ない人物の一人で、携帯プリンターを常に携帯しているというハープ氏。高齢で疲れやすいトランプ次期大統領のため、SNSの投稿やニュースから重要な内容を選び、A4用紙に印刷して渡している。
主にトランプ次期大統領が好む情報をピックアップし、時には陰謀論で知られる「ザ・ゲートウェイパンディット」のようなサイトも引用することがある。「人間プリンター」の異名を持つハープ氏は、トランプ次期大統領のSNS投稿や文章作成もサポートしている。
NYTは、トランプ次期大統領と密接な関係にあるハープ氏が、トランプ政権2期目の側近の中で、最も影響力を持つ存在になると予測している。NYTによれば、「トランプ次期大統領の側近らは、ウィル・シャープ氏がホワイトハウス上級顧問に指名され、大統領執務室の文書を管理することになるが、ハープ氏が関わっている限り、大統領の机には別の情報が流れていることを認識している」と指摘している。