26日(現地時間)、米国の代表的な戦略資産であるバージニア級原子力潜水艦が、初めてグアムの米軍基地前線に配備されたと米インド太平洋軍が発表した。
米中間の競争が激化する中、米軍が最新型の攻撃型原潜をハワイから中国に近いグアム基地へ配備したことになる。
軍事専門家らは、原潜のグアム基地への初配備について、南シナ海などでの中国の軍事的拡張を牽制し、北朝鮮の核・ミサイル能力向上の脅威に対応する措置だと分析している。
米インド太平洋軍は同日、公式ウェブサイトとSNSで、バージニア級原子力攻撃型潜水艦であるミネソタ(SSN-783・7800トン)が、グアム基地に入港する写真を公開した。
米インド太平洋軍は「ミネソタはグアムの前線に配備された初のバージニア級攻撃型潜水艦で、太平洋の前線に配備された4隻のロサンゼルス級原子力潜水艦と合流する」と述べた。さらに「海の頂点捕食者と呼ばれるグアムの原子力攻撃型潜水艦は最前線で活動し、自由で開かれたインド太平洋を支援する任務に全力を尽くす」と説明した。
27日、香港紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、米海軍の発表を引用し、「2022年からハワイに配備されていたバージニア級原潜ミネソタが前日、新たな『母港』となるグアム基地に到着した」と報じた。
グアムの米海軍基地にバージニア級原潜が配備されるのは今回が初めてだ。これまでグアム基地には、バージニア級より旧式のロサンゼルス級潜水艦が配備されてきた。2013年に就役したミネソタは10隻目のバージニア級潜水艦で、約140名の乗組員を収容できる。
米海軍は「インド太平洋の安全保障環境は、米海軍が最も有能な部隊を前方展開することを求めている」と述べた。グアム基地に駐留する米海軍第15潜水艦戦隊のニール・シュタインハーゲン司令官は「ミネソタの配備は画期的だ」とし、「この潜水艦の存在は我々の作戦能力を向上させ、インド太平洋全域の抑止力をさらに強化するだろう」と期待を示した。
グアムは中国東部海岸から約2,900km離れており、中国の主要軍事資産の攻撃圏内にあるため、米国は中国との競争において、グアムを軍事的要衝と位置付けている。
バージニア級原子力潜水艦は、米国の主力原子力潜水艦であるロサンゼルス級の後継機種として、2000年代初頭から配備が始まった。ロサンゼルス級と比べて水中での騒音が大幅に低減され、12基の垂直発射管から2,500km先の地上目標を精密攻撃できるトマホーク巡航ミサイルを多数発射できる。
原子力推進のため、水中で数か月間潜航し続けることができ、有事の際には、北朝鮮など敵国の主要目標を同時多発的に精密攻撃することも可能だ。
北朝鮮の核・ミサイル挑発や米韓合同演習参加のため、韓国にも数回入港している。ミネソタのグアム前方展開は、ドナルド・トランプ米次期大統領陣営がトランプ次期大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との直接対話を模索しているという、海外メディアの報道が出た日と時を同じくしており、特に注目を集めている。