2021年、大分市で発生した
時速194キロ暴走死亡事故
19歳運転者に懲役8年の判決
2021年2月、大分市の一般道で、当時19歳の運転者が時速194キロで暴走し、交差点で右折中の車両と衝突する事故を引き起こした。この事故により、50代の男性運転者が死亡する惨事となった。
事故現場の法定速度は時速60キロ。被告の速度はこれを3倍以上上回る時速194キロで、134キロもの速度超過であった。
遺族の願い実り
再捜査で起訴内容変更
当初、検察は被告を過失運転致死罪で在宅起訴。しかし、被害者遺族が厳罰を求め約2万8千人分の署名を提出。これを受けて事件が再捜査され、2022年12月に起訴内容が危険運転致死罪に変更された。
危険運転致死罪は過失運転致死罪よりもはるかに重い罪となる。過失運転致死罪の最高刑が懲役7年であるのに対し、危険運転致死罪は最高で懲役20年に及ぶ。
時速194キロの暴走
危険運転と認定
公判での主な争点は、被告の運転行為が単なる過失か、それとも危険運転に該当するかであった。自動車運転処罰法第2条では「進行を制御できないほどの高速で走行した場合」を危険運転と規定している。
大分地裁は、被告の時速194キロでの走行がこの法律条項に該当すると判断。これにより、裁判所は11月28日、被告に懲役8年の判決を言い渡した。
危険運転致死罪
法改正へ議論本格化
今回の事件を機に危険運転致死罪の適用要件が不明確だという指摘が再び浮上。これを受け、法務省は専門家による検討会を重ね、改善策を議論している。
2024年11月13日に開催された第10回会議では、危険運転致死罪に関する報告書の草案が示された。法務省はこれを基に今後の法改正の必要性を検討する方針だ。