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2024年12月12日木曜日
ホームニュース「残るはホムス、首都ダマスカス」シリア反政府勢力が中部の要衝ハマを制圧、アサド政権崩壊の危機

「残るはホムス、首都ダマスカス」シリア反政府勢力が中部の要衝ハマを制圧、アサド政権崩壊の危機

引用=EPA通信
引用=EPA通信

シリアの反政府勢力が中部の要衝ハマを制圧し、さらに、首都ダマスカスへと続く幹線道路沿いに位置する主要都市ホムスに向かって南下する準備を進めている。

アサド政権の劣勢が報じられ、政権崩壊の危機も指摘されている。

5日(現地時間)「ウォール・ストリート・ジャーナル」などによると、多くの専門家が反政府勢力の勢いを確認し、アサド政権の存続は危機的状況に陥っていると分析したという。

世界の紛争防止のための政策提言を行うNGO「国際危機グループ(ICG)」の上級顧問は、アサド政権崩壊の可能性について「現実味を帯びてきている」とし、「反政府勢力が現在の勢いを維持しながら、ホムスに進撃し、一部でも占拠すれば、アサド政権の崩壊を真剣に念頭に置くべきだ」と説明した。

反政府勢力の中心に立ち、進攻を率いる「シャーム解放機構(HTS)」にとって、ハマの制圧に成功した今、首都ダマスカスへの道程で残る主要都市はホムスのみとなった。

シリア中部の第4の都市ハマは人口およそ100万人で、先週、反政府勢力が制圧した北部に位置する第2の都市アレッポから首都ダマスカスに向かう要衝であった。

ハマが反政府勢力に制圧されたのは、2011年のシリア内戦勃発以来、初めてのことである。

シリア国内でも南部地域を支配下に置くアサド政権の影響力は、近年、弱まりつつある。

これは国際社会から制裁を受けるアサド政権を支援してきたロシアとイランも、それぞれ、ウクライナ侵攻とイスラエルとの対立で、シリアの支援に力を入れる余裕がないことにも、関連している。

特に、中東各地でイランが支援する武装組織のネットワーク「抵抗の枢軸」の1つであるレバノンに拠点を置く親イラン武装組織「ヒズボラ」が、イスラエルとの長期戦で甚大な被害を受けていることから、シリアでも反政府勢力を抑えることが困難になっている。

HTSのジャウラニ指導者もハマに入ったと表明し、映像を通じて反政府勢力がダマスカスをはじめ、他の都市へも進撃すると表明した。

また、反政府勢力の勝利はそもそも予想できた結果だいう声もあがっている。

アメリカの公共政策シンクタンク「センチュリー財団」の研究員は、「ニューヨーク・タイムズ」とのインタビューで「HTSはトルコと国境を接するイドリブ県に事実上の政府機能を持っているため、貿易や経済活動を通じて多くの蓄財を行ってきた」とし、「少なくともその資金の一部は組織の勢力拡大のため、軍事力強化に投入されたとみられる」と説明した。

さらに、トルコがシリア北西部に、アメリカが北東部に軍を駐留させ、反政府勢力に対して、間接的な支援を続けている点も見落としてはならない。

この日、シリア政府軍は「政府軍は民間人を危険にさらす可能性のある都市部での戦闘を避けるため、(ハマから)撤退した」と声明を発表した。

イギリスに拠点を置く「シリア人権監視団(SOHR)」は、「反政府勢力が警察本部や刑務所、空軍基地などを制圧し、数百人を解放した」と伝えた。

現時点ではダマスカスからまだ遠く離れている反政府勢力の位置だが、進撃のスピードが加速しているため、ダマスカス到達も近いのではと予想されている。

一方、ダマスカス駐在中国大使館は「シリア国内全域で治安が悪化している」とし、自国民に早急に避難することを勧告した。

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