日本で増加する若年層の老眼、スマートフォンの影響か?
スマートフォンの使用が影響し「若年性老眼」が増加しているという報道がなされている。最近、国内放送では、「スマートフォンなどの画面を近距離で長時間見続ける生活習慣が影響し、老眼に似た症状を訴える10代、20代の若者が増加している」と報じられた。
ある大学生はインタビューで、「ゲームやYouTubeを夜通し見ていると目が疲れ、焦点が合わなくなったり、頭痛がするようになった」と語った。また、会社員の一人は、「仕事中にパソコンを長時間見続けると、目がかすんだり乾燥を感じることが多い」と不快感を訴えた。
広島大学の客員準教授で眼科医の戸田良太郎氏は、スマートフォンの使用による目の負担について説明した。戸田氏によると、目にはカメラのレンズに相当する「水晶体」があり、水晶体周辺の筋肉が伸縮することで焦点を合わせる。しかし、スマートフォンの画面を近距離で見ると、水晶体が厚くなり、この状態が長時間続くことで筋肉に過度の負担がかかるという。さらに、戸田氏は「スマートフォンを近距離で見続けることは、下半身の筋力トレーニングであるスクワットをしているようなもの」と例え、注意を呼びかけた。「壁スクワットを30回した後に歩くと足がふらつくように、目にも痙攣が起こる可能性がある」と警告した。
目の健康を守るため、生活習慣の改善を提案した戸田氏は、年齢別に△10代:約5cm △20代:約10cm △30代:約15cm △40代:約30cmほど離れてスマートフォンを使用すべきだと助言した。また、これらの症状の予防や治療には生活習慣の改善が不可欠で、実際には上記の距離よりもさらに遠くからスマートフォンを見ることを勧めている。
特に、8歳未満の子どもについては、目が成長段階にあるため、画面を近距離で長時間見ることが近視の進行や後天的内斜視(目が内側に寄る状態)のリスクを高める可能性があると警告している。
最後に、目の健康を維持するためには、「画面から最低30センチ以上離れ、30分ごとに目を休ませ、長時間の使用を避けること」が重要だと強調した。