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テスラの株価が52週間の最高値を更新する中、その要因として「オプティマス」への注目が高まっている。
10日、テスラのX(旧:Twitter)アカウントにオプティマスのデモ動画が投稿された。
動画では、オプティマスが土の上を歩行する様子が映っており、視覚情報に頼らず、内蔵コンピュータが約2秒~3秒で処理する神経ネットワークとオンボードセンサーのみを使用して、バランスを保ちながら歩行していることが確認できる。
また、新機能の開発も進んでおり、不整地でも自然な歩行を実現する機能を追加するほか、速度や方向指示への反応性も向上させる計画だ。さらに、転倒時の被害を最小限に抑えるため、転倒後の起き上がり機能も搭載する方針だ。オプティマスはテスラが開発中のヒューマノイドロボットで、現在は人間の介入なしにバッテリーセルの分類を行う作業や、ボールの把持作業を通じてその器用さをテストしている。
テスラは2025年末までに、テキサス州オースティンにあるギガオースティンで1,000台のオプティマスロボットを稼働させる計画を進めている。ロボタクシー技術の成熟が進む中、テスラのスーパーコンピュータの演算能力がオプティマス開発へシフトすることで、ロボット訓練のスピードが加速すると見込まれている。
テスラの株価は上昇傾向が続いており、その背景にはオプティマスの技術への期待がある。7日のニューヨーク市場では一時389.49ドル(約5万9,102円)まで上昇し、52週間の最高値を更新した。なお、テスラの終値ベースでの過去最高値は2021年11月4日に記録した409.97ドル(約6万2,216円)となっている。
楽観的な見方が広がる中、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のジョン・マーフィーアナリストがテスラに関する新たな見通しを示した。アーフィーアナリストは、テスラのテキサス州オースティンにある生産工場ギガファクトリーを視察後の報告書で、「テスラの自信が高まった」と評価し、目標株価を従来の350ドル(約5万3,115円)から400ドル(約6万703円)に引き上げた。
特に注目されているのが「オプティマス」技術だ。イーロン・マスクCEOが誇る技術が「本物」として評価され、今後の進展への期待がますます高まっている。