シリアでアサド政権が崩壊したことを受け、欧州各国では続々とシリア人難民の受け入れ審査を停止している。
9日(現地時間)「ロイター通信」によると、ドイツ政府は、13年にわたる内戦の末、独裁政権が崩壊したシリアの政治情勢がより明確になるまで、連邦移民難民庁での難民認定申請の審査を凍結すると発表した。
ドイツはメルケル前首相の下、2015年から2016年には100万人相当のシリア難民を受け入れ、欧州の中でもシリア難民が最も多い国の1つに数えられる。
現在、ドイツには約100万人のシリア人が居住しているといわれている。
連邦移民難民庁によると、約4万7,270件の難民認定申請が審査待ちの状態だという。
イギリス政府もシリア難民の認定審査を一時停止すると発表した。
イギリス政府のスポークスマンは「シリア国内の状況を正しく把握するための期間中、シリアからの亡命申請に関する決定を一時的に停止した」とし、「常時出てくる課題に対応できるよう、難民認定に関する国別の指針は都度見直している」と述べた。
約10万人のシリア人が暮らすオーストリアでも、ネハンマー首相が内務省に対し「シリア人の難民認定申請をすべて保留とし、すべての難民認定を見直すよう」指示したと発表した。
内相は「シリアへの秩序ある送還および強制送還プログラムを準備するよう指示した」と話した。
そのほか、フランスやイタリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなども、シリア難民の認定審査を停止すると発表した。