カフカス地域の旧ソ連国ジョージアで、親ロシア派のミハイル・カベラシュビリ氏(53)が新大統領に選出された。
ロイター通信などによると、15日(現地時間)、首都トビリシの議会で行われた大統領選において、カベラシュビリ候補は選挙人団225人中224票を獲得し、圧倒的な支持を受けて大統領に選ばれた。
ミハイル・カベラシュベリ氏は、1995から1997年にかけてイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティなどでストライカーとして活躍した元プロサッカー選手だ。スイスでのプレーを経て帰国後、2016年には「ジョージアの夢」から国会議員に当選した。
ロイター通信は、彼を強硬な反西側的見解を持ち、陰謀論的主張を展開する人物と紹介している。今年の演説では、「西側諜報機関はジョージアをロシアとの戦争に巻き込むため、200年以上にわたって同国を支配しようと画策してきた」と主張し、その立場を明確にした。
今回の選挙は、2017年に内閣制が導入されて以来初となる間接選挙による大統領選である。選挙人団は国会議員と地域代表で構成されており、ミハイル・カベラシュビリは単独候補として出馬した。親ロシア路線を取る与党「ジョージアの夢」は、昨年10月の総選挙で150議席中89議席を獲得後、2028年までのEU加盟推進保留を表明した。
この方針に対し、EU加盟が憲法上の国家目標であるとして反発が広がり、数万人が2週間以上、連日国会前でデモを行った。警察は放水車と催涙弾を使い、デモ隊を強制排除した。選挙当日には、数百人が雪の中でサッカーをしながらカベラシュビリ氏の経歴を揶揄する形でレッドカードを掲げた。
親欧米派のズラビシュビリ現大統領は、退任を拒否している。彼は、ロシアが総選挙介入を主張し、不正選挙で選ばれた議会には新大統領を選出する権限がないと訴えている。ジョージアの大統領は象徴的な国家元首としての役割を果たし、軍の最高司令官としての責任を担うが、実権は議会指名と大統領任命による首相が握っている。カベラシュビリ氏の就任式は29日に予定されている。