ロシアが最前線の地上戦に北朝鮮軍を本格投入し始めたことにより、北朝鮮軍の死傷者が急増しているということが明らかになった。戦闘経験に乏しい北朝鮮兵士たちが、未知の環境で殺傷用ドローンやクラスター弾など強力な兵器を目の当たりにし、甚大な犠牲を強いられているという。
ウクライナ政府と軍は、17日(現地時間)ロシア軍がクルスク州の最前線に北朝鮮軍部隊を集中投入したと発表した。特に、ウクライナ特殊作戦軍は14日から16日の戦闘で北朝鮮軍兵士50名が死亡し、47名が負傷したということを明らかにした。他の戦線での交戦も含めると、北朝鮮軍の死傷者はすでに200名を超えると推定されている。
米軍当局も、ロシアに派兵された北朝鮮軍のうちで数百名の死傷者が出ており、下級兵士から高位の将校まで混ざっていることを伝えた。また、AFP通信も同日、米軍高官の発言内容を引用し、ロシア・クルスク地域でのウクライナ軍交戦で北朝鮮軍数百名が戦死または負傷したと報じた。
当高官が「北朝鮮軍の死傷者数は数百名が最新推計である」と述べたのだが、これはわずか1日で北朝鮮軍死傷者数を数十名から数百名へと修正したものであるという。
ロシアに派兵された北朝鮮軍の総数は約1万2,000名と推定され、ウクライナ軍のドローン攻撃やクラスター弾に無防備にさらされていると伝えられた。ウクライナ軍が、一人称視点ドローン(FPV)で捉えた北朝鮮軍の映像を公開したのだが、そこには北朝鮮軍兵士たちが木々の間を逃げ惑うもドローンに狙われ、次々と倒れていく様子が映し出されていた。また、恐怖に怯える兵士たちがドローンを呆然と見つめている場面も捉えられていた。クラスター弾の爆発で多数の兵士が命を落とし、負傷する惨状も報告されている。クラスター弾は内部に数十から数百個の子爆弾を含み、広範囲に強力な殺傷効果をもたらす兵器だという。
ウクライナ軍情報総局のキリル・ブダノウ局長は14日、テレグラムチャンネルを通じて、ロシア軍が北朝鮮軍との合同部隊を編成し、クルスク戦線に大規模投入を開始したと発表した。しかし、ロシア軍と北朝鮮軍は言葉の壁により管理や連携に苦慮していると分析した。さらに、他の戦線でも北朝鮮軍が投入される可能性について述べ、事態がさらに悪化する恐れがあると警告した。
また、ウクライナ軍総司令官であるオレクサンドル・シルスキー氏は、ロシア軍がクルスク州で3日間にわたる攻勢を展開し、北朝鮮軍を積極的に戦闘に投入していると明らかにした。
彼は「北朝鮮兵士たちはすでに深刻な被害を被っている」とし、死傷者数が増加する一方であることを伝えた。ウクライナ軍情報によると、北朝鮮軍第94独立旅団からの補充兵力を受けた合同戦闘部隊が継続的に投入されているという。これはロシアが最前線での激しい攻勢を維持するため、北朝鮮兵力を消耗戦の駒として利用していることを示唆しており、北朝鮮軍の投入から日が浅いことを考えた場合、今後さらに北朝鮮軍の死傷者数が拡大するものと考えられている。