自身と不倫関係にある男性の妻に別れてほしいと2億ウォン(約2億2,000万円)を渡したが、二人の離婚が実現しなかったため、返金を求める訴訟を起こした中国人女性の話が伝えられた。
先月15日(現地時間)、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」は、職場の同僚である既婚男性のハン氏と不倫関係を持ち、訴訟にまで至ったシ氏の話を報じた。
シ氏は2013年12月に結婚し、二人の娘がいるハン氏と職場で出会い、不倫関係に発展した。二人の関係はさらに深まり、共に事業を立ち上げ同業をしていて、2022年11月には息子も生まれた。
これを機に、シ氏は本格的にハン氏の本妻の座を狙い始めた。彼女はハン氏の本妻に会い、「離婚してほしい」と要求し、その対価として200万人民元(約4,300万円)を提案。その後、着手金として120万人民元(約2,600万円)を振り込んだ。
しかし、ハン氏夫婦は1年経っても離婚しなかった。シ氏は待っても待っても二人の離婚手続きが進行しないため、ハン氏の本妻に金を返すよう求めたが、本妻はこれを拒否。シ氏は最終的に返金を求める訴訟を起こすに至った。
法廷に立ったシ氏は「ハン氏と離婚する条件で本妻に金を渡すという『口頭和解』があった」と主張し、契約違反に基づく延滞利息と120万人民元の返還を求めた。
裁判所はシ氏の主張を退けた。シ氏が金を渡した行為が合法的な結婚を妨害し、社会的道徳基準と公共秩序に違反したと判断したためだ。さらに、裁判過程でハン氏が結婚生活中に妻に内緒でシ氏に600万人民元(約1億3,000万円)を使っていた事実も明らかになった。
これについて現地の弁護士は「結婚期間中に夫が妻の同意なしに不倫相手に提供した財産は夫婦の共同所有とみなされる」と述べ、「むしろハン氏の妻が不倫相手シ氏に自分の分を返還するよう求める法的権利がある」と説明した。