韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案が国会で可決された中、「12・3非常戒厳事態」の際に禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長らが国会に入るために乗り越えた塀が集会参加者の間で話題となっている。
15日(現地時間)聯合ニュースによると、この塀には「国会議長が非常戒厳解除のために乗り越えた塀」と書かれている紙が貼られており、これを見た通行人が記念写真を撮る姿も見られた。応援グッズを手にしたパク・チェウォンさん(23歳)は、聯合ニュースに「先週この場所のことを知って、ニュースで取り上げられた名所だと思い、写真を撮りに来た」と述べ、「ウ議長が塀を乗り越えていなければ、戒厳令の解除も実現せず、抗議活動もできなかったかもしれない」と語った。
ウ議長は3日(現地時間)、ユン大統領の非常戒厳令宣言後、警察の規制で国会への出入りが制限されたため、約1メートルの塀を乗り越えて本会議を開いた。当時、本会議場に集まった議員らが「直ちに開会すべきだ」と急かしたが、ウ議長は「手続き上の誤りがあってはならない。まだ議案が上がっていない」と自制を求めるなど、冷静な対応を見せた。結果、戒厳令解除要求決議案は手続きに誤りなく当時集まった議員全員の満場一致で可決され、非常戒厳令は宣言から155分後に解除された。
12・3非常戒厳事態以降、ウ議長に対する信頼度も急上昇したことが明らかになった。韓国ギャラップによると、10日から12日にかけて全国の18歳以上の成人男女1,002人に最近の政治家に対する個別信頼度を尋ねた結果、ウ議長を「信頼する」との回答は56%で1位となっており、信頼しない(不信)との回答は26%にとどまった。これは与野党の次期大統領候補や国務総理を大きく上回る数値だ。李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表を信頼するという意見は41%(不信51%)、国民の力の韓東勳(ハン・ドンフン)代表は15%(不信77%)、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理の信頼度は21%(不信68%)であった。
この調査は、携帯電話3社提供の無線電話の仮想番号からの無作為抽出による電話調査で実施され、この調査の標本誤差は95%の信頼水準で±3.1%ポイントであり、今回の調査の回答率は15.8%だった。詳細な調査概要と結果については、韓国の中央選挙世論調査審議委員会のウェブサイトで確認できる。