3年目に入ったウクライナ戦場で、ロシア砲兵旅団が北朝鮮から逆輸出されたとみられるD-74 122mmカノン砲を運用する場面が捉えられたと20日に報じられた。
最大射程約24kmのD-74 122mmカノン砲は1950年代にソビエト連邦で製造され、1960~70年代にベトナム、中国、北朝鮮などに輸出が始まった。その後M-46 130mmカノン砲に置き換えられ、ソ連の兵器庫から姿を消したが、北朝鮮は継続的に改良を加え使用を続けている。
軍事専門メディアのArmy Recognition(アーミー・レコグニション)は、18日(現地時間)にロシア国営メディアRTのTelegram(テレグラム)アカウントに投稿された映像を分析した結果、ウクライナのドネツク州地域ポクロフスクに駐屯するロシア第238砲兵旅団が北朝鮮から逆輸出されたとみられるD-74 122mmカノン砲を運用していると報じた。
同メディアは、当該榴弾砲の車輪の形状が北朝鮮の軍事訓練映像に登場したD-74 122mmカノン砲の改良型と一致していると指摘した。
ロシアはウクライナ戦争の長期化に伴い、戦争での物資不足に直面し、北朝鮮から弾薬や弾道ミサイルなどの支援を受けており、最近では兵力の支援を受けるような状況になっている。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)も同日、米国ワシントン大学国際安全保障教授のマイケル・パーセルジョージ氏のインタビューを報じ、この映像の榴弾砲が北朝鮮製D-74 122mmカノン砲とみられ、完璧ではないものの、ロシア軍が森林の多い地域などで隠れた敵の位置を攻撃する武器として有効に活用されている可能性があると予測した。
パーセル教授は、ロシアは追加の補給が必要なため、北朝鮮の精度の低いシステムでも使わざるを得ない状況にあるとし、北朝鮮の武器は完璧ではないが、使用可能という点でロシアにとっては妥当な取引だと評価した。
一方、17日(現地時間)、ロイター通信とAP通信は、匿名の米軍関係者の話として、北朝鮮軍がクルスク州地域でウクライナ軍と交戦し、数百人の死傷者が出たと伝えた。
同日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、ロシアが北朝鮮軍の身元を隠すため、戦死者の顔を焼却していると明らかにした。