14歳の女子中学生に対し、常習的に性的暴行を加えた中学校の50代元校長に、懲役9年の判決が下された。裁判で容疑者は「女子生徒が好きで欲望を抑えられなかった」と述べた。
NHKによると、東京地方裁判所は9日、10代の女子生徒に性的暴行を加え傷害を負わせた罪で、東京都練馬区立三原台中学校の元校長、北村比左嘉被告(57歳)に懲役9年を言い渡した。検察が求刑していた懲役10年より軽い判決となった。
北村被告は14年前の2010年に別の中学校で教員として勤務していた際、当時14歳の女子生徒に性的暴行を加え傷害を負わせたとして起訴されていた。
警察は、この事件とは別に北村被告の児童買春・ポルノ禁止法違反(所持)容疑を捜査する過程で、今回の性的暴行の事実を把握した。北村被告は以前、別の女子生徒の裸体映像が含まれたビデオを校長室に保管していたことが発覚し、警察の捜査を受けていた。北村被告が所持していたわいせつ動画の中には、今回起訴された性的暴行の際に撮影されたビデオも含まれていたという。
裁判で北村被告は性的暴行容疑について「その生徒は拒否できたのに私を受け入れた」と主張し、無実を訴えたが、被害生徒は「10年以上前、クラブ活動の顧問だった先生から常習的に性的暴行を受けていた」と証言し、「当時、先生は絶対的な存在で、抵抗するのが怖かった」と述べた。
これに対し、裁判所は、「圧倒的な上下関係を背景に被告が自らの行動をエスカレートさせた」と指摘し、「生徒を守るべき学校で行われた行為であり、その重大性は軽視できない」と述べた。さらに、「被害者は誰にも話せない苦痛の中で中学校時代を過ごし、精神的被害は甚大だった」と判示した。