うつ病は、思考、感情、行動、身体など様々な面で日常生活に支障をきたす疾患だ。単なる心の問題ではなく、身体にも影響を及ぼすため、うつ病の症状は身体的な変化として現れることがある。うつ病によって引き起こされる10種類の身体症状を見ていこう。
1. 筋肉・関節痛
筋肉や関節に頻繁に痛みを感じる場合は、うつ病の可能性を疑う必要がある。うつ病は痛みを引き起こすことがあり、うつ病患者は健常者よりも痛みを感じる頻度が高くなる。これは両者が脳内の化学物質を共有しているためだ。うつ病患者が痛みを感じる確率は通常の3倍も高くなるとされている。
2. 睡眠障害
睡眠に問題が生じる。寝つきが悪い、または頻繁に目が覚めるのはうつ病の典型的な症状だ。一方で、眠りすぎる人もいる。睡眠障害は特にうつ病が重症化した際に現れやすい。
3. 疲労
慢性的な疲労に悩まされる。十分な休息や睡眠を取っても疲れが取れない場合は、うつ病の兆候があるかもしれない。身体が十分に回復せず、日常生活に支障をきたす可能性がある。
4. 胸痛
胸痛を感じることがある。胸痛は心臓の異常を示唆する可能性もあるが、うつ病によっても引き起こされることがある。うつ病は心臓疾患のリスクを高め、逆に心筋梗塞の既往歴がある人はうつ病になりやすいという研究結果もある。
5. 消化不良
消化器系に問題が生じる。脳と消化器官は密接に関連しているため、うつ病になると消化不良、吐き気、下痢などの症状が現れやすい。うつ状態だとストレスによって消化器系の問題が生じやすくなる。
6. 頭痛
頭痛が頻発する。重度のうつ病患者は片頭痛が起きる確率が3倍高まるとされている。また、片頭痛患者は、うつ病を発症するリスクが5倍高いという研究結果もある。
7. 食欲・体重の変化
食欲に変化が現れる。うつ病は食欲に影響を与え、食事量の減少や過食を引き起こす可能性がある。これにより体重に変化が生じる。うつ病は過食症や拒食症などの摂食障害とも関連がある。
8. 腰痛
長期に渡って腰痛に悩まされる。慢性的な腰痛はうつ病を引き起こす可能性がある。うつ病患者は重度の首や腰の痛みを感じる確率が通常より4倍高いとされている。
9. 性欲減退
性生活への関心が薄れる。うつ病に罹ると性的欲求が低下する可能性がある。また、一部の抗うつ薬が性機能に影響を与えることがある。
10. イライラ
頻繁にイライラする。睡眠障害やその他のうつ病の症状のせいで、イライラしやすくなることがある。特に男性は女性よりもイライラを感じやすいとされている。