「早産児は必ずしも弱い」という偏見を覆す研究結果が発表された。
早産児は未熟児とも呼ばれ、妊娠20~37週未満で生まれた子どもを意味する。世界の出生児10人に1人が早産児だ。これを区別するには妊娠週数が重要となる。週数に関係なく出生時の体重が2.5kg未満の場合は低出生体重児となるためだ。
低出生体重児の大半は早産児であるため、「予定より早く生まれた子」とも呼ばれている。妊娠37週以上で生まれた新生児に比べて様々な疾患に弱いため、感染リスクから守り十分な栄養を供給するため、新生児集中治療室で治療を受けることが多い。
しかし、早産児として生まれた場合、成人になった時に心血管疾患のリスクがむしろ低いことが明らかになった。ニュージーランドのリギンズ研究所がオークランド国立女性病院で実施した、妊娠中のベタメタゾン投与に関する二重盲検プラセボ対照試験に参加した50歳以上の人々を追跡調査した結果だ。
精神健康面でも、早産児として生まれ育った成人がうつ病を発症する確率が低いことが示された。ただし、糖尿病、糖尿病前症、脂質異常症の発症率には大きな差は見られなかった。呼吸器疾患や慢性腎臓病の有病率にも顕著な差はなかった。
そして、子どもが自閉症になる原因は単一ではないという見解も示された。最近、米国疾病予防管理センター(CDC)は、自閉症と診断される子どもの割合が2000年の150人に1人から現在は36人に1人に増加したと発表した。専門家らは、自閉症の増加の主な要因として、自閉症に対する認識の向上と診断基準の拡大を挙げている。
また、自閉症に関連する遺伝子が100個以上存在し、環境要因も複雑に絡み合っているため、原因を一つに特定することは困難だとも伝えた。