寒くなると自然と体が縮こまり、筋肉が硬直し柔軟性が低下する。また、血管や靭帯の機能も低下し、わずかな衝撃で疾患につながる可能性があるため、注意が必要だ。筋肉や靭帯が硬直した状態で過度な運動や無理な動きをすると腰に負担がかかり、最も一般的に発生する疾患が腰椎捻挫（ぎっくり腰）である。腰椎捻挫は脊椎の問題ではなく、主に靭帯の損傷によって引き起こされる症状である。
2024年12月31日、ジュアンナヌリ病院脊椎センター長のチョン・スンヨン氏は「一般的に『腰をひねった』と言われる症状は、ほとんどの場合が腰椎捻挫の可能性が高い」とし、「冬の寒さでは筋肉の硬直が他の季節よりも強く、少しの衝撃で発症しやすいため、重いものを持ったり無理な動きをしたりすることは避けるべきだ」と述べた。
腰椎捻挫は通常、1～2日程度の十分な休息や筋弛緩剤などの保存的治療で回復するが、痛みの回復が遅い場合や症状が長引く場合、単純な捻挫ではなく、腰椎椎間板ヘルニアである可能性がある。
チョン院長は「痛みが2週間以上続く場合は腰椎椎間板ヘルニアを疑うべきだ」とし、「多くの人々が腰椎捻挫と腰椎椎間板ヘルニアを混同するが、原因や進行の過程が異なる」と説明した。そして、「腰痛や脚のしびれが現れた場合は、精密検査を受けて正確な診断を受けることが重要だ」とアドバイスを送った。
腰椎椎間板ヘルニアは、脊椎の間にある椎間板が突出し、脊髄を通る神経を圧迫することによって痛みを引き起こす疾患である。腰痛とともに脚の痛みやしびれが現れる放射痛が特徴的だ。腰椎椎間板ヘルニアは患者の状態に応じて治療法が異なるが、80～90％の患者は非手術的治療で改善する。しかし、排尿障害や下肢麻痺などの重篤な症状が現れる場合、速やかに手術が必要となる。
全身麻酔に対するリスクから手術を避ける高齢者や全身疾患を持つ患者には、低侵襲手術である脊椎内視鏡を使用した腰椎椎間板ヘルニア手術が選択肢となる。脊椎内視鏡手術は、5mm未満の切開で病変を正確に除去でき、局所麻酔で行うため、高齢者や基礎疾患を持つ患者も麻酔の負担を軽減しながら手術を受けることができる。従来の手術に比べ、手術時間が短く、早期の社会復帰も可能だ。
腰椎捻挫や腰椎椎間板ヘルニアは日常生活の姿勢に起因することが多い。不適切な姿勢で生活していると、腰を痛める頻度が増加し、脊椎疾患につながるリスクも高くなる。そのため、正しい姿勢を保つことが日常生活で重要である。