9日、ポーランド政府は今月27日に開催されるアウシュビッツ強制収容所の解放80周年の式典に関し、イスラエル代表団の自由で安全な参加を保障する決議を採択した。
これはパレスチナ自治区ガザ地区の戦闘をめぐる戦争犯罪容疑で、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されているネタニヤフ首相に配慮したものとみられる。
AFP通信によると、先月ポーランドのバルトシェフスキ外務副大臣が「我々はICC条約(ローマ規定)の加盟国として国際刑事裁判所の決定を尊重する義務がある」と述べ、ネタニヤフ首相がポーランドに足を踏み入れた場合、逮捕執行される可能性に言及した。
しかし、最近になりポーランドのドゥダ大統領がトゥスク首相に書簡を送り、ネタニヤフ首相が参加できるよう要請し、方針が変更された。
ICC条約には120以上の国や地域が加盟しており、逮捕状が発行されている人物が入国した場合、加盟国には逮捕に協力する義務がある。
しかし、逮捕執行に協力しなくても制裁措置などは定められていない。
現時点でネタニヤフ首相が実際にポーランドを訪問し、式典に参加するかどうかは不明だ。
イスラエルメディアによると、首相が必ずしもこの行事に出席する必要はなく、キッシュ教育相がイスラエル代表として参加するのではないかと報じている。
一方、イスラエル首相府の報道官は6日「Bloomberg」の取材に対し、招待状を受け取っていないと回答した。