パレスチナ自治区ガザでの停戦合意を目指した協議再開後、一定の進展があったものの、合意にはまだ時間がかかる見通しだ。
9日(現地時間)「ロイター通信」によると、パレスチナ当局者は「合意に至らなかったことは交渉の停滞を意味するものではなく、今回、これまでの協議の中で誰もが最も真剣に取り組んだ」と語った。
さらに「広範な交渉の中で、仲介国と当事者が細部を話し合っている」とし、「かつてなくポジティブな状況ではあるが、合意には至っていない」と述べた。
3日からイスラエルとパレスチナのイスラム組織「ハマス」はカタールの首都ドーハで仲介国であるカタール、アメリカ、エジプトとともに停戦協議を再開した。
しかし、両者は人質解放の条件を巡り平行線をたどっているとされる。
ハマスはイスラエルがガザ地区から完全撤退し、恒久的な停戦に合意しない限り、人質解放には応じないと主張している。
一方、イスラエルはハマスの壊滅を目指しており、完全な停戦は認めておらず、一時的な停戦に応じてもガザ地区の戦略的要衝への駐留を続ける立場を示すなど、すべての人質が解放されるまで戦争を継続する姿勢を崩していない。
そのような状況下で今月20日に就任式を控えるトランプ次期米大統領は、人質の早期解放を求めて圧力をかけている。
ハマスに対し「自身の就任までに人質解放がなければ、地獄の代償がある」と脅しをかけた。
イスラエル軍はこの日もガザ地域に空爆を実施した。
パレスチナの医療関係者によると、少なくとも23人が死亡し、パレスチナ当局は過去24時間の空爆での死者は76人にのぼると発表した。