カザフスタン、インド、スロバキアなどが候補に
「ゼレンスキー大統領の参加の有無も鍵」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とアメリカのドナルド・トランプ次期大統領との会談準備が進む中、開催地を巡る憶測が飛び交っている。ロシアの専門家らは、ロシアと友好関係を維持している国々が会談場所として適切であるとの見解を示している。
ウラジーミル・ジャバロフ上院国際問題委員会副委員長は、現地メディア「ニュース・ル」のインタビューで、「個人的にはハンガリーが最適だと考える」と述べ、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相がトランプ氏とプーチン大統領の双方と良好な関係を維持している点を挙げた。また、「最も重要なのは、両首脳の安全を確保することだ」と強調した。
ロシアの専門メディア「ニュース・ル」は、ゲボルグ・ミルザヤン露金融大学教授が先月、プーチン大統領とトランプ氏の会談場所としてカザフスタンとインドを挙げ、これらの国々がプーチン大統領の安全を保証できると説明したと報じた。また、ミルザヤン教授はトランプ氏のモスクワ訪問の可能性を排除しないものの、その実現可能性は低いと指摘している。
ロシアメディア「アルグメンティ・イ・ファクティ(Aif)」は、オルバン首相を「ロシアと米国間の積極的な仲介者」と評価し、オルバン首相がプーチン大統領とトランプ氏双方と会談している点に注目している。
このメディアは、オルバン首相がプーチン大統領との接触を継続している唯一のNATO加盟国首脳であり、さらにハンガリーがEU加盟国の中で唯一、ウクライナに致死性武器を供給していない点も指摘している。
同様に、EUおよびNATO加盟国でありながら親露的な姿勢を示すスロバキアも会談場所として候補に挙がっている。プーチン大統領は先月、スロバキアのロベルト・フィツォ首相がモスクワを訪問した際、スロバキアをウクライナ和平交渉の場として提供する意向を示したと述べた。ウシャコフ大統領補佐官は、複数の国から会談場所を提供する申し出があったことを明らかにしている。
一方、「Aif」は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の招待が会談場所に影響を与える可能性があると指摘しており、ゼレンスキー大統領が招かれる場合、ハンガリーやスロバキアでの会談の可能性は低くなると分析している。これは、ゼレンスキー大統領とこれらの国々の指導者との関係が緊張しているためだ。
また、過去にウクライナ関連の紛争解決を目的として、ベラルーシとトルコで交渉が行われたことも示唆されている。先月1日、リアノーボスチ通信によると、トルコの政治学者エンギン・オゼル氏は、イスタンブールが会談場所となる可能性があると述べている。
さらに、トランプ氏はプーチン大統領との対話を望んでおり、前日には「プーチン氏は会談を望んでおり、我々はそれを準備している」と述べた。これに対し、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、「トランプ氏が対話を通じて問題解決に取り組むことを歓迎する」と述べ、会談に関する具体的な動きは、トランプ氏の大統領就任式後に見られるだろうと付け加えた。
ウクライナ戦争の迅速な終結を目指す意向を示していることから、両首脳の会談は、ウクライナの平和定着に向けた重要な一歩となる可能性が高い。