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2025年01月20日月曜日
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「北朝鮮軍はイデオロギーに非常に忠実」ウクライナ軍が北朝鮮兵捕虜の詳細を報告、精神力と訓練でロシア軍を凌駕

引用:ニュース1
引用:ニュース1

ウクライナのメディア「キーウ・インディペンデント」は16日(現地時刻)、ウクライナ軍が北朝鮮兵を生捕りにした過程を、当事者へのインタビューを交えて詳細に報じた。同メディアによると、過去1か月間、北朝鮮兵の生捕りは、ロシアのクルスク州に配備されたウクライナ軍の主要任務の一つだったという。

ウクライナの特殊作戦部隊員であるボルスク氏は、クルスク州での作戦中、北朝鮮兵の狂的な自殺願望に直面したと振り返った。ある北朝鮮兵が捕虜になりそうになった際、「党に栄光を」、「金正恩(キム・ジョンウン)に栄光を」と叫びながら、手榴弾で自爆したという。

この任務は、今月初めにようやく成功した。ウクライナ軍部隊と空挺部隊が、それぞれ北朝鮮兵1名ずつを生捕りした。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この生捕りが北朝鮮のロシアへの派兵の動かぬ証拠だと強調した。

ボルスク氏は「本質的に、これは第三国がこの戦争に参加しているという事実を、国際社会に知らしめるものだ」と述べ、「ロシアは彼らが主張するほど無敵ではない」と語った。

キーウ・インディペンデントは、北朝鮮兵の生捕りに関与した、もう一人のウクライナ兵士ベルナルド氏にもインタビューを行った。ベルナルド氏は、任務の詳細は明かせないとしつつ、クルスク地域の特定区域を長期間監視し、北朝鮮兵を生捕りにする絶好の機会を探っていたと明かした。

ウクライナ軍によると、この地域で活動していた兵士は、全て北朝鮮軍で構成されていたという。ベルナルド氏は「我々は作戦目標に接近した。目標を観察し続け、彼らの基地がそこにあることを把握していた」と説明した。ウクライナ軍は、銃撃戦で北朝鮮軍に死傷者が出ると、北朝鮮軍は撤退を開始し、負傷した兵士1名が戦場に取り残されたと付け加えた。

ボルスク氏は「我々の兵士は、彼が動いたり突発的な行動を取ったりしないよう、継続的に射撃制御を行った」と述べ、「彼の位置に接近し、武装解除するのは、非常に困難で危険な作業だった」と回顧した。

この北朝鮮兵は手榴弾を所持しており、その押収が特に困難だったとボルスク氏は語った。最終的に、この兵士はウクライナ軍の接近を許可し、応急処置を受けた。負傷したのは脚だけで、その他は無傷だったという。

ベルナルド氏は、北朝鮮兵に接近してまもなく、ロシア軍の砲撃が始まったと述べ、これは北朝鮮軍部隊の存在を隠蔽しようとするロシア側の意図だと見られると指摘した。

彼は「(北朝鮮兵の)目を見た時、彼もまた人間だということが分かった」と述べ、「結局、彼も生きたかっただけだ。彼はただの若者で、何かを考えたり、体力を使おうとする意欲さえなかった。我々はただ彼を救出しただけだ。それ以上でも以下でもない」と付け加えた。

生捕りにされた北朝鮮兵2名は現在、ウクライナ情報機関保安局(SBU)に拘束され、負傷の治療を受けているという。1名は2005年生まれで、2021年に入隊し、小銃手として勤務、もう1名は1999年生まれで、2016年から偵察将校兼狙撃手だったことが判明した。

ボルスク氏とベルナルド氏は、北朝鮮軍とロシア軍の戦闘能力に顕著な差があると指摘した。北朝鮮軍が肉体的にも精神的にも、より強いというのが彼らの見解だ。

ボルスク氏は「北朝鮮軍は行動計画や任務内容について、徹底的な訓練を受けている」と述べ、「ロシア兵が北朝鮮兵ほど無理をしないのは明らかだ。北朝鮮兵は重装備を背負って、長距離を走ることができ、極限状況下でも、はるかに生き残る可能性が高い」と語った。

ベルナルド氏は、北朝鮮軍が8年間の兵役期間を経ているため、より周到に準備されていると評価した。ただし、「複雑な機動には苦戦している様子が見られるが、これは過去の実戦経験がないため、訓練通りにできないだけだ」と付け加えた。また、ベルナルド氏は、北朝鮮軍が現代戦で主要な役割を果たすドローンや空中偵察への適応に苦心していると述べた。

ボルスク氏は北朝鮮軍の死傷者中、死亡者の割合が高いことを言及し、「部分的に言語の壁が原因だろう。ロシア部隊との連携がうまくいっていないようだ」と推測した。彼は「北朝鮮軍はイデオロギーに非常に忠実だ」と述べ、「自らの規律を守り、自分が誰で、何をすべきか指示された通りに行動している」と評価した。

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