アスファルトの地面に転倒し病院を訪れた患者が、額の縫合手術を受けたが、手術部位にアスファルトの破片が取り除かれないまま残っていたという事例が報告された。
先月16日、韓国の番組、JTBC『事件班長』によると、この事件は昨年12月14日午前1時頃、韓国ソウル冠岳(クァナク)区のアパートで発生したという。この日、40代男性A氏は飲酒後の帰宅中に、駐車場のポールに足を引っかけ転倒し、アスファルトに額と腹を強打した。額を裂傷を負い出血したA氏は、妻とともにタクシーで救急室に向かったものの、救急室では即座に縫合手術ができないとして治療を断られた。
病院側「縫合時には肉眼で確認できなかった」
結局、A氏は別の病院に移動することになり、江南(カンナム)の病院で額に3~4針の縫合手術を受けた。縫合手術を終えたA氏は、医師から「今後の傷の処置は近くの病院で受けてください」と言われ、そのまま帰宅した。この際、縫合の過程でX線撮影は行われなかった。
問題が発覚したのはその後だった。A氏が治療のため自宅近くの整形外科を訪れ、微細骨折の可能性を疑ってX線撮影を行ったところ、縫合を受けた額に異物があることが判明した。額から取り出された異物は、長さ約1cmの「アスファルト片」だった。転倒した際に地面にあった石が皮膚に刺さり、縫合を行った医師がこれを見逃したまま縫い合わせてしまったのだ。
A氏は「小指の爪ほどの大きさなのに、縫合時に見逃したことが信じられない」と語った。その後、縫合を受けた病院に状況を伝えたが、謝罪は得られなかったという。病院側は「しっかり治療を受けてください」と述べ、「縫合時には肉眼で確認できなかった。追加で対応できることはない」との立場を示したと、A氏は説明した。
最後にA氏は「縫合術に55万ウォン(約5万9,000円)、石の除去に120〜150万ウォン(約12万9,000〜16万1,000円)かかった」とし、「せめて病院側から道義的な謝罪や訪問の申し出があれば納得できたかもしれないが、その対応があまりにも信じがたい」と不満を表明した。