19日にガザ地区の停戦合意第1段階が発効され、イスラエルはパレスチナ受刑者90人を釈放し、パレスチナのイスラム組織「ハマス」は人質の女性3人を解放した。
「AP通信」などによると、イスラエル当局は20日未明に「ヨルダン川西岸のオフェル刑務所からパレスチナ人女性69人と少年21人を釈放した」と発表した。
19日の午前8時半に停戦が始まる予定だったが、人質の名簿がハマスから提供されていないとして、イスラエル軍はガザ空爆を継続し、ハマス運営のガザ保健省によると、ガザ地区では少なくとも19人が殺害され、36人が負傷した。
停戦合意の発効は当初より約3時間遅れたが、ハマスは提供が遅れた理由を「技術的なものだ」と説明した。
ハマス側がロミ・ゴネン(24)、ドロン・スタインブレヒャー(31)、イギリスとの二重国籍者であるエミリー・ダマリ(28)の女性人質3人を返還したことを受け、イスラエルは90人の収容者を釈放した。
停戦合意の第1段階は、6週間の交戦を停止し、それぞれ人質の解放と収容者の釈放を行う。
この後、今月25日にも解放、釈放が行われる予定となっており、今回と同様、ハマスが女性の人質を解放すれば、イスラエルは人質1人につき30~50人のパレスチナ人収容者を釈放する。
第1段階ではイスラエル人の人質33人とパレスチナ人収容者737人が解放される見通しだ。
人質全員が解放されるのは停戦合意の第2段階となる。
イスラエルとハマスは第1段階の停戦期間内に第2段階の具体的な実行計画について合意に達する必要がある。
ただし、イスラエル軍のガザ地区からの完全撤退など最重要課題に関する意見の一致が必要であり、交渉は難航が予想される。
イスラエルのネタニヤフ首相は人質3人の解放を歓迎し「この瞬間はイスラエルの英雄たちの犠牲と戦いのおかげで達成できた」とSNSに投稿した。
ヘルツォグ大統領も「あなたたちはたくさんの人々に愛され、不在を皆が悲しんでいた。あなたたちの帰還に国全体が喜んでいる」と語った。