第47代アメリカ大統領として正式に就任したドナルド・トランプ大統領が、過去の民主党政権時代に強化されたLGBTQ(性的少数者)権利向上政策を大々的に廃止する意向を明らかにした。
トランプ大統領は20日(現地時間)、アメリカ首都ワシントンD.C.の連邦議会議事堂ロタンダホールで行われた就任式で宣誓し、第47代大統領としての任期を開始した。2017年から4年間、第45代大統領として在任した後、2度目の任期となる。
「アメリカ第一主義時代2.0」を宣言したトランプ大統領の就任演説は、第1期の時と同様に「アメリカ・ファースト」に重点を置いた強力なアメリカを目指す内容だった。同時に「公的および私的なすべての面において人種や性別ではなく能力に基づく社会を作る」と述べ、LGBTQ政策に関して従来の強硬な立場を堅持する意向を示した。
トランプ大統領は「今日からアメリカ政府の公式政策には男性と女性の二つの性別しか存在しない」と明言し、第46代ジョー・バイデン政権が推進してきたLGBTQ権利保護政策を事実上廃止する意志を明らかにした。
さらに予告通り、連邦政府内の多様性、公平性、包摂性(DEI)プログラムを終了する行政命令に署名する予定だと発表した。AP通信は「トランスジェンダー保護の撤廃とDEIプログラムの廃止は、連邦政策の主要な転換点であり、トランプの選挙公約と一致している」と評価した。
これまでトランプ大統領は「反PC(ポリティカル・コレクトネス)」を前面に押し出し、それに対する反感を強く示してきた。また、性的少数者、特にトランスジェンダー問題を浮き彫りにし、アメリカ国内の保守支持層を結集させる戦略を取ってきた。
以前、英紙「ザ・タイムズ」がトランプ大統領が準備中だと報じた「米軍内のトランスジェンダー兵士を排除する行政命令」がその代表的な例とされる。軍内の「ウォーク(woke、進歩的なアジェンダや文化を指す)」文化を強く批判してきたトランプ大統領は、トランスジェンダーの新規入隊を禁止するだけでなく、現在軍で勤務中の数千人のトランスジェンダー兵士を疾病などの理由で自主除隊させる計画を進めているとされる。