世界で最もトラが多く生息する国はどこか? 最新の調査によれば、インドには世界のトラの75%にあたる3600頭以上が生息していることが明らかになった。
1月31日付の英BBCなどの報道によると、過去10年間でインドのトラの個体数は2倍に増加し、3600頭を超えた。トラの生息地面積は13万8200平方キロメートルに達し、これは英国の約半分に相当する広さだ。
科学誌「サイエンス」の最新号によれば、トラの個体数の増加は密猟防止、生息地保護、餌の確保といった施策の成果に加え、人間と野生動物との衝突を減らす取り組みによるものだという。
インドでは2006年から4年ごとに国内20州にわたるトラの生息地を調査し、共存する捕食動物や餌の量、生息地の質を監視してきた。これにより、トラの生息地はこれまでに約30%拡大している。
研究チームによると、インドのトラは保護区で繁殖を行いながら、国立公園外の農村部やその周辺に住む6000万人の人々と共存する環境にも適応しているという。
一方、インド北東部ではかつて密猟が盛んだった地域でトラがほぼ絶滅してしまった。この地域はインド国内でも最も貧困率が高い場所の一つだ。
今回の研究の筆頭著者であるジャハラ氏は、「一般的に、人間の密集度が高い地域では大型肉食動物の生存が難しいと考えられがちだが、実際には人々の意識や態度が重要だ」と指摘している。