北朝鮮の社会安全省（警察庁）が全国の安全部長の緊急会議を招集し、幹部の反人民的行為に対する強力な統制措置を協議していることが5日に明らかになった。
韓国の北朝鮮専門メディア「デイリーNK」は前日、「3日から始まった緊急会議は3〜4日間行われる予定で、社会安全省が道・市・郡の安全機関責任者を平壌（ピョンヤン）に召集し緊急会議を進めている」と、身元保護を条件とする平安南道（ピョンアンナムド）の情報筋の話を引用して報じた。
先月27日に開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第30回秘書局拡大会議では、幹部の弊害を一掃し、人民の権益を侵害する行為を徹底的に排除するよう党の決定と指示が下された。今回の緊急会議はこれを実行に移すための迅速な後続措置とみられると情報筋は説明した。
情報筋によると、秘書局拡大会議で問題視された温泉郡の党幹部の党規律違反行為、牛市郡の農業監察機関の反人民的行為に関与した安全機関の幹部問題を早急に是正し、統制を強化する方策が議論されているという。
情報筋は「全国の道・市・郡の安全機関のトップを緊急招集しなければならないほど、緊張が高まっている」とし、「これは結局、幹部の汚職や違法行為に対する住民の不満が極限に達していることの証左だ」と伝えた。
また、情報筋は実際に住民は今回の拡大会議で強く指摘された幹部の特権的行為は、これまで日常的かつ普遍的に続いてきた問題であり、今回幹部の腐敗ぶりが露呈したことに驚きはないとの反応を示したと付け加えた。
現在、安全機関の従事者らは「幹部の間に見られる反社会主義・非社会主義的な要素を徹底的に排除するための対策を講じることが急務だ」とし、「今回の緊急会議終了後、しばらくの間は内部の取り締まりや統制が強化されるだろう」と情報筋は補足した。
今回の緊急会議の招集指示は、社会安全省本部から内部に下されたもので、今後北朝鮮が報道などを通じて会議開催の事実を公表するかどうかが注目される。