中国人観光客の間で、韓国旅行の満足度が日本よりも低いという調査結果が発表された。
韓国観光公社は、昨年韓国を訪れた外国人観光客が1,637万人に達したと4日に発表した。このうち、中国人観光客が460万人（28％）を占め、日本人観光客322万人を100万人以上上回った。しかし、中国人観光客の韓国訪問に対する満足度は、東京よりも低い評価を受けた。
韓国の宿泊予約プラットフォーム「ヤノルジャ（Yanolja）」が発表した「中国人観光客レビュー評価によるソウル・東京の宿泊体験比較」によると、中国人観光客がトリップドットコムに投稿した宿泊レビューを分析した結果、ソウルの宿泊施設の平均評価（5点満点）は4.31点で、東京の4.48点よりも0.17点低いことが分かった。
宿泊施設のランク別でも、東京の評価のほうが全体的に高かった。ソウルの3つ星ホテルは東京の2つ星以下のホテルと同じような評価を受け、ソウルの4つ星ホテルは東京の3つ星ホテル、ソウルの5つ星ホテルは東京の4つ星ホテルと同等の評価を得た。中国人観光客はソウルの宿泊施設を東京の宿泊施設よりも1ランク低く評価する傾向があることが確認された。
ソウルの宿泊施設で多くの否定的な評価が寄せられた分野は「設備」、「サービス」、「衛生」だった。特に設備面では、セントラル空調による温度調整が難しい点や共用トイレの不便さ、故障した設備、狭い部屋などが主な不満点として挙げられた。否定的な評価が肯定的な評価を上回り、早急な改善が必要な分野として指摘された。
サービス面では、コミュニケーションの問題、キャリーケースの保管サービスの不足、フロントスタッフの不在などが不満点として挙げられた。衛生面では、清潔でない寝具など、基本的な清掃状態に対する不満が多かった。「ヤノルジャ」は、宿泊施設の品質向上が中国人観光客の満足度と再訪意向を高めると予測している。また、設備の点検・修理、多言語対応マニュアルの整備、セルフチェックインシステムの導入が効果的だと分析した。さらに、髪の毛や汚れ、カビなどの衛生管理を強化する必要があると強調した。
ヤノルジャ・リサーチ主任研究員のアン・イェジンは、「ソウルの宿泊業界がグローバル市場で競争力を高めるためには、単なる施設改善にとどまらず、宿泊客中心の設計と運営を行い、サービスや体験の差別化が必要だ」と述べ、「これにより、ソウルは質の高い宿泊体験を基盤に観光産業の持続可能な成長を実現できるだろう」と語った。