どんなにダイエットを頑張っても、一度できた凸凹のセルライトは簡単には消えない。解消するには生活習慣の見直しが必要だ。
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セルライトとは、肥大化した脂肪細胞に過剰な体液や老廃物、炎症物質が絡みつき、変性を起こすことで生じる皮膚の凸凹を指す。見た目がオレンジの皮のようにボコボコしているのが特徴で、特に太ももやお腹などにできやすい。さらに、女性ホルモン「エストロゲン」の影響を受けやすいため、女性に多く見られ、一度できると除去するのが難しい。
見た目が気になるだけでなく、セルライトには毒素や炎症物質、老廃物などが含まれており、健康面でも悪影響を及ぼす。多くの専門家は、セルライトの存在が血液循環の低下を示しており、老廃物や炎症がうまく排出されずに体内に滞留することで、高血圧・高脂血症・糖尿病のリスクを高めると指摘する。また、セルライトの多い人は、そうでない人に比べて認知症のリスクが高いという研究結果もある。
韓国のテレビ番組『脂肪脱出プロジェクト』に出演した皮膚科専門医のキム・ジヨン氏によると、セルライトは大きく4段階に分けられる。△第1段階:見た目は正常だが、皮膚をつまんで押すと細かい粒のようなものが確認できる。△第2段階:見た目は問題ないが、皮膚を押すと大きな塊が感じられる。△第3段階:何もしなくても皮膚の凸凹が目立ち、触ると痛みを伴う。△第4段階:大きなセルライトの塊が目視でき、皮膚の弾力が低下し、たるみも生じている状態。
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セルライトができる最大の要因は、血液やリンパの流れが悪くなり、老廃物の排出が滞ることだ。不規則な食生活もセルライトを悪化させる要因となる。特に、高炭水化物・高脂肪・高ナトリウムの食事は体内の循環を妨げ、セルライトを作りやすくする。また、長時間同じ姿勢で座っていることも血流を悪化させる要因のひとつだ。さらに、レギンスやスキニージーンズなど、体を締め付けるファッションも血流を阻害し、セルライトの形成を促進する。
一度できたセルライトは、すでに硬く繊維化しているため、簡単に消えるものではない。そのため、まずは発生要因を減らすことが重要だ。きつい服やヒールの高い靴を避け、バランスの取れた食事と適度な運動で血流を改善し、むくみを防ぎ、老廃物をスムーズに排出させることが大切だ。
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すでにできてしまったセルライトには、マッサージで繊維組織をほぐす方法が有効とされる。リンパの流れが集中している脇の下や鼠径部(そけいぶ)、ふくらはぎの裏側、膝裏を優しくマッサージすることで、老廃物の排出が促され、血行が改善される可能性がある。