ある暗号資産（仮想通貨）の大口投資家（クジラ）が、わずか3つのミームコインに投資し、3週間で700万ドル（約10億7,550万円）の利益を上げた。変動の激しい暗号資産市場でこの投資家が利益を最大化した戦略に注目が集まっている。
11日（現地時間）、仮想通貨専門メディア「CoinGape」などによると、暗号資産分析プラットフォーム「Solonchain」は最近、X（旧Twitter）を通じてこの投資家の戦略を紹介した。この投資家は、時価総額が1億ドル（約153億5,500万円）に達するミームコインを選別的に購入し、短期間で巨額の利益を得た。
彼は、ドナルド・トランプ大統領に関連する「トランプコイン」で3週間前に40億ウォン（約4億2,200万円）の利益を上げた。その後、デイブ・ポートノイが推奨したミームコイン「ジェイルスツール」と「カー」に投資し、それぞれ100倍、26.6倍の収益率を記録し、合計で70億ウォン（約7億3,900万円）を獲得した。
この投資家は、3週間前にトランプコインへ大規模な投資を行い、400万ドル（約6億1,400万円）の利益を確保。その後、JailstoolとCARを追加購入し、さらなる利益を狙った。Jailstoolは、ポートノイの宣伝後に11万9,000%急騰し、この過程でこの投資家は100倍の利益を得た。初期の市場価値が200万ドル（約3億700万円）程度だったこのコインは短期間で2億ウォン（約2,100万円）まで成長した。
また、CARへの投資も戦略的に行われた。投資家は100SOL単位で複数回にわたり購入し、価格変動を利用して最適な購入タイミングを見極めた。初期購入価格は0.0263〜0.0403ドル（約4~6円）であり、その後価格が急騰したため売却し、最終的に26.6倍の利益を実現した。CARの時価総額は3,000万ドル（約46億700万円）から8億ドル（約1,228億6,400万円）に増加した。
ミームコインは本質的に価格変動が激しく、投資家の心理によって急騰・急落する特性を持つ。今回の投資事例でも、3つのミームコインは短期間で急上昇したが、その後の市場の変動により下落傾向を示した。
仮想通貨専門メディア「CoinDesk」によると、2月現在ミームコイン市場全体の時価総額は3週間で37%減少し、440億ドル（約6兆7,581億円）以上の価値が消失した。この期間中、市場全体の価値は1,176億ドル（約18兆626億円）から698億ドル（約10兆7,208億円）に縮小した。専門家は、ミームコイン市場の不安定性が今後も続くと予測しており、一部のミームコインは今回の下落後、回復できない可能性が高いと分析している。
この投資家の事例から得られる最も重要な教訓は、迅速な判断力と市場適応力であるとメディアは指摘。単にミームコインに無闇に投資するのではなく、市場で特定のコインが注目を集める時点や価格変動パターンを綿密に分析し、投資判断を下していたという点だ。
暗号資産市場において、クジラは一般的に市場の流れを主導する傾向があり、彼らの取引パターンが市場全体に影響を与えることも少なくない。しかし、専門家は、このような投資戦略を安易に真似するのではなく、十分な分析と研究が必要だと助言している。
類似の事例として、2023年にイーサリアムベースの投資家がPEPEミームコインに初期投資後、100倍以上の利益を上げたことがある。また、ドージコイン（DOGE）やシバイヌ（SHIB）も初期投資家に数千倍の利益をもたらし、ミームコイン市場における代表的な成功例としてか語り継がれている。