ドナルド・トランプ米大統領の「グリーンランド買収」の試みに対抗し、グリーンランドを自治領とするデンマークで「カリフォルニアを買おう（buy California）」というオンライン請願運動が展開されている。トランプ大統領の領土欲を揶揄するこの請願には、すでに20万人以上が賛同している。
11日（現地時間）英紙「ガーディアン」によると、デンマークでは1兆ドル（約154兆3,848億円）を募り、米国で最も人口が多く、米国経済の中核を担うカリフォルニア州を買収しようという風刺的な請願が話題を呼んでいる。
オンライン請願書は「地図を見て『デンマークに何が必要だろう？多くの日光、ヤシの木、ローラースケート』などと考えたことはないか？そう、私たちにはその夢を実現する千載一遇のチャンスがある」と述べ、「ドナルド・トランプからカリフォルニアを買おう！」と提案している。
請願は「ハリウッドに『ヒュッゲ（Hygge・居心地の良さを意味するデンマーク語）』を、ビバリーヒルズには自転車道を、そしてあらゆる街角にオーガニックなスモーブロー（デンマーク式サンドイッチ）を導入する。法治主義、国民皆保険制度、事実に基づいた政治が実現可能だ」と主張している。
さらに「率直に言って、トランプはカリフォルニアの熱烈なファンではない。彼はカリフォルニアを『連邦で最も破綻した州』と呼び、長年カリフォルニアの指導者たちと対立してきた。適切な価格であれば、彼は喜んで手放すだろう」と付け加えた。
請願サイトの上部には、トランプ大統領の選挙スローガン「MAGA（Make America Great Again・米国を再び偉大に）」をもじった「カリフォルニアを再び偉大に（Make Califørnia Great Ægain）」というスローガンが掲げられている。
さらに、カリフォルニア買収後はディズニーランドの名称をデンマーク出身の世界的童話作家にちなんで「ハンス・クリスチャン・アンデルセンランド」に変更したり、ミッキーマウスにバイキングのヘルメットを被せたりするなど、風刺に満ちた提案も盛り込まれている。
一方で、グリーンランドを狙う米国の動きは本格化しているとガーディアン紙は指摘する。与党共和党のバディー・カーター下院議員（ジョージア州）は最近、トランプ大統領がグリーンランドを買収し、その名称を「レッド、ホワイト、ブルーランド（Red, White, Blueland）」に変更する法案を提出した。