北朝鮮のキム・ヨジョン労働党副部長の夫が、11年前に北朝鮮の総政治局組織部の軍団指導課副部長を務めていたという主張が浮上した。
米政府系放送局「自由アジア放送（RFA）」の12日の報道によると、リュ・ヒョヌ元駐クウェート北朝鮮大使代理は、インタビューで2014年9月にキム・ジョンウン国務委員長の母である故コ・ヨンヒ氏の墓を訪れた際、キム副部長の家族に遭遇した経験を明かした。
リュ元大使代理は、「キム・ジョンイル氏の金庫番」として知られるチョン・イルチュン元労働党39号室長と共にコ・ヨンヒ氏のお墓に行った際、キム副部長の夫を目撃したという。彼は、夫と思われる男性が軍服姿で背が高く、端正な容貌をしており印象的だったと付け加えた。
リュ元大使代理は「キム副部長は義父に『母の墓を訪れていただき、ありがとうございます』と挨拶した」と述べ、「義父が家族を紹介する際、キム副部長と握手を交わしたが、彼女の隣には身長180cm近くの男性が立っていた。その時、キム副部長の結婚式の写真で見た夫と同一人物だと気づいた」と語った。
リュ元大使代理によると、当時キム副部長の夫は総政治局組織部軍団指導課副部長として在職中で、二人はキム・イルソン総合大学で出会い結婚に至ったという。これまでキム副部長の結婚や妊娠、出産説は絶えず取り沙汰されてきたが、公式に確認されたことはない。
先月1日、北朝鮮の国営メディアは新年祝賀公演の様子を伝え、キム副部長が男性と女児の手を引いて歩く姿を公開した。これについて韓国の国家情報院は、その子供たちがキム副部長の子である可能性を分析中だと明らかにした。また、2022年6月にはキム副部長がある男性と並んで立つ姿が、北朝鮮の国営メディアによって報じられた。当時、二人が近い距離で向かい合って立っていたことや、男性がキム副部長に直接薬を手渡す様子が捉えられたことから、夫ではないかという推測が広がった。