暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)が強い売り圧力に直面し、さらなる下落の可能性が指摘されている。
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最近、「デスクロス」の形成が確認されたことに加え、ドージコインの大口投資家(ホエール)の取引活動が88%減少し、投資心理の冷え込みが顕著になっている。
17日(現地時間)、仮想通貨専門メディア「コインゲイプ」は、この状況を踏まえて専門家によるドージコイン価格の見通しを報じた。
暗号資産アナリストのアリ・マルティネス氏は、同日ドージコインの時価総額対実現価値(MVRV)比率と200日移動平均線(MA)の間で「デスクロス」が発生したと指摘した。
一般的に「デスクロス」は下落のシグナルとされる。過去にもドージコインは同様のパターンが発生した後、26%から最大44%の価格下落を記録したことがある。そのため、ドージコインの価格が現在の水準から0.15ドル(約22円)まで下落する可能性があるとの分析が出ている。
マルティネス氏は、ドージコインネットワーク内での大口取引の急減も懸念材料であると強調した。
オンチェーンデータによると、昨年11月中旬以降、ドージコインの大口投資家の活動が88%減少した。これは市場の主要投資家がドージコインの保有量を減らすか、取引に消極的な姿勢を取っていることを意味する。
特にドージコインは、最近アルゼンチンで発生した「リブラ(LIBRA)」ミームコイン詐欺事件の影響を受けた。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が支持したリブラコインは短期間で急騰した後に暴落し、投資家の信頼を失った。この影響がドージコインやシバイヌ(SHIB)など、主要ミームコインにも波及している。
先物市場でもドージコインの弱気傾向が顕著になっている。デリバティブデータ提供業者コイングラスによると、ドージコイン先物の未決済建玉が5.27%減少し、24億1,000万ドル(約3,664億円)まで縮小した。
また、過去24時間でドージコイン先物市場において357万ドル(約5億4,290万円)規模の強制清算が発生し、そのうち310万ドル(約4億7,143万円)がロングポジションからのものだった。
これは、投資家がドージコインの価格上昇を見込んで買いを入れたものの、価格下落により損失を被るケースが増加していることを示唆している。
こうした下落リスクがある一方で、一部の投資家はドージコインの将来性に依然として楽観的な見方を示している。
特に米国証券取引委員会(SEC)が最近、資産運用会社グレースケールによるドージコインETF申請の正式な審査が決まり、市場の期待感が高まっている。
仮想通貨アナリストのブランツ氏は、ドージコインの最近の価格動向について、「最近の下落後、ドージコインは2週間にわたり安定した推移を見せている」と分析した。