ハマスは第1段階の停戦において、イスラエルの人質33人を解放することで合意し、イスラエルも1,904人のパレスチナ人収容者を釈放する方針を示した。ハマスは22日、人質6人と遺体4体を含む33人の引き渡しを完了したが、イスラエルは同日予定されていたパレスチナ人収容者620人の釈放を一方的に延期した。ガザ地区には依然として62人の人質が残されており、そのうち少なくとも35人がすでに死亡していると推定される。
ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）は25日、中東政府関係者の話として、ハマスが前線部隊の新指揮官を任命し、戦闘再開に備えて陣地の再編成を進めていると報じた。
破壊されたトンネル網の再建を急ぐとともに、新兵に対し武器の使用法や戦術を記したパンフレットを配布しているという。2023年の開戦直前には約4万人の兵力を擁していたが、その大半を喪失した。最近になり、数千人規模の新たな戦闘員を募集したという。
中東関係者によると、ハマスは即席爆発装置の製造を進める一方、ガザ地区に残るイスラエル軍の通信傍受装置の特定を進めている。
イスラエル軍もハマスの動向を把握している。ガザ地区北部のハマス指導者イッズアッディーン・ハダードは今月初め、前線の指揮官らと会合し、イスラエル軍が戦闘を再開すれば、ガザ地区の主要道路が標的になる可能性があると警告した。
また、米CNNはWSJの報道と同日、停戦延長の行方は不透明だと分析した。ハマスは2023年10月7日の攻撃でイスラエルに対し251人を人質に取り、先月19日から6週間の予定で第1段階の停戦に入った。当初、今月から終戦およびイスラエル軍の完全撤退に向けた第2段階交渉が開始される予定だったが、現在も進展は見られない。
ハマスは第1段階の停戦中に33人のイスラエル人質を解放することで合意し、イスラエルも1,904人のパレスチナ人収容者の釈放に同意した。ハマスは22日、人質6人と遺体4体を含む33人の引き渡しを完了させたが、イスラエルは同日予定していたパレスチナ人収容者620人の釈放を一方的に延期した。ガザ地区には現在62人の人質が残っており、そのうち少なくとも35人はすでに死亡していると推定されている。
イスラエルは23日、ハマスが人質解放の過程で宣伝行為を行ったと非難した。一方、ハマスは収容者の釈放がなければ第2段階交渉には応じないとの立場を明確にした。
CNNは、イスラエル側も収容者釈放の際に宣伝行為を行ったと指摘した。さらに、イスラエルがハマスからより多くの人質の解放を促すため、第2段階交渉ではなく、第1段階停戦の延長を模索していると報じた。
その後、両者は追加の交換で合意した。25日、ハマスは当初合意した33人に加え、遺体4体を引き渡すと発表した。イスラエルも拘束していた収容者620人を釈放し、さらに遺体4体に相当する収容者を追加で釈放するとした。ハマスはイスラエルの要求を受け、26日にエジプトへ遺体4体を引き渡すが、特別な式典は行わないと明言した。
海外メディアは、米国でイスラエル寄りのドナルド・トランプ大統領が政権を掌握したことにより、米国およびイスラエル政府内の強硬派の影響力が強まったと分析している。
これに伴い、ハマスとの交渉を主導していたイスラエルの対外情報機関「モサド」と国内情報機関「シンベト」のトップは、「過度な譲歩」との批判を受け、交渉チームから排除された。
ネタニヤフ首相は交渉代表に親トランプ派のロン・デルマー戦略担当相を起用した。CNNは、ハマスが交渉の手段として保持するのは人質のみであり、今後もイスラエルの要求に従い人質を解放し続けることが可能かは不透明だと指摘した。
