
タイで賃借人が「傷を修復しない限り敷金は返せない」と言い張る家主に悩まされていると訴えた。
2日、タイの地元紙カーウ・ソットなどによると、賃借人Aさんは最近引っ越した後、以前住んでいた家の家主に敷金11万バーツ(約48万1,726円)の返還を求めた。
しかし、家主は敷金返還を拒否した。Aさんが居住中に家の至る所に傷をつけたためだという。家主は「これらを修復しない限り敷金は返せない」と断言した。
傷の確認のため以前の住居を訪れたAさんは愕然とした。家主が傷があると主張する約300か所に全て付箋が貼られていた。床の汚れ、引っかき傷、壁のペンの跡など、家主は指摘した場所を全て修復するよう要求した。
家主は建物に対する損害を修復及び賠償をしない限り、敷金は返還できないと主張した。
Aさんの写真では、13段の木製階段だけでも30枚以上の付箋が貼られていた。

Aさんは300か所もの傷を指摘されるのは行き過ぎだと感じたが、ある程度は自身の責任だと考え、また敷金も返還してもらう必要があったため、業者に依頼しながら清掃や塗装、研磨、カーテンの撤去など、家の内外を手入れした。
しかし、家主はAさんの対応に満足できず、塗装の色が微妙に違うと指摘し、新たな汚れが生じたとも主張した。結局、家主はAさんの敷金で家を修復すると通告し、修復費用の明細書と共に敷金11万バーツのうちわずか2万バーツ(約8万7,586円)しか返還しなかった。
Aさんの体験談にタイのネットユーザーは怒りを露わにした。Aさんが投稿した写真からすると家がまだ新築同然だと指摘し、「この程度の傷が怖いなら最初から家を貸すべきではない」と家主を批判した。一部では「家主が敷金を使い込んで返す金がないため、難癖をつけたのではないか」との疑いの声も上がった。