
ホンダとの経営統合が破談になった日産自動車が最高経営責任者(CEO)の交代を準備していることが明らかになった。米ブルームバーグ通信は27日、日産自動車の取締役会が内田誠CEOの後任を検討していると報じた。内田社長は2019年末から日産の舵取りを担っている。
内田社長の退任報道を受け、日産の株価は当日午前の東京証券取引所で4.9%急騰した。ブルームバーグは内田社長の退任準備について、日産が今後新たなパートナーを獲得する能力があることを示唆するものだと分析した。
国内3位の自動車メーカーである日産は今年の3月期の決算で純損益が800億円の赤字となる見込みだ。社債の償還期限も来年に迫っている。日産は経営不振を打開するため、国内2位のホンダとの経営統合を模索したが、日産側が構造改革案の策定に難航し、今月に交渉が決裂した。
かつて年間500万台規模だった日産の完成車生産台数は近年300万台程度まで減少したが、生産人員と設備は以前の水準を維持していたことが要因だ。内田社長は昨年11月、従業員9,000人の削減と自動車生産能力の20%縮小を発表した。ただし、CEOが交代してもホンダとの経営統合の交渉が再開されるかは不透明だ。
一方、台湾のiPhone製造の受託企業「フォックスコン」が日産の経営に関心を示し、米国の投資ファンド「KKR」も投資を検討していると伝えられている。