
ドナルド・トランプ米政権、軍用機による移民送還を停止
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5日(現地時間)、米国防総省関係者の話として、就任直後から厳しい不法移民対策を進めてきたトランプ政権が、今月1日以降、軍用機による不法移民の強制送還を実施していないと報じた。これに伴い、6日に予定されていた空輸による送還も中止された。
これまで米連邦当局は、キューバのグアンタナモ米軍基地の収容施設を移民強制送還の中継地点として利用し、軍用輸送機を動員してきた。最近では、ベネズエラ国籍の不法滞在者約200人がグアンタナモを経由して本国に送還された。
WSJが飛行追跡データを分析したところ、米当局はC-17輸送機を約30回、C-130ハーキュリーズ輸送機を約12回使用したという。
WSJは「軍用機による輸送は、民間機を使用した一般的な強制送還よりも少ない数の移民を、より高コストで輸送した」と指摘した。実際、インドへの強制送還便1回の費用は300万ドル(約4億4,284万円)に上り、12人の移民をグアンタナモに輸送する際には1人当たり最低2万ドル(約295万円)の費用がかかったこともあった。
ロイター通信によると、C-17輸送機の運用コストは1時間当たり2万8,500ドル(約420万円)と推定され、軍用機を使った移民1人当たりの送還コストが民間航空会社のファーストクラス料金を上回ると指摘していた。