
野党議員が議会で発煙弾使用、
与党議員3人が負傷、1人重体
東ヨーロッパのセルビアで、野党議員が議会において会期無効を主張し、発煙弾などを使用した結果、与党議員3人が負傷し、そのうち1人が重体となった。
ロイター通信によると、4日、セルビアの野党議員らは首都ベオグラードの議事堂内で発煙弾と催涙スプレーを投げ入れ、与党・セルビア進歩党(SNS)所属の議員3人が負傷した。負傷者の一人、ヤスミナ・オブラドビッチ議員は脳卒中を発症し、重体となった。
SNSが議題を上程した際、一部の野党議員が議長席に突進し、警備員と衝突。その後、議場内に「政権崩壊のために立ち上がる」と書かれた横断幕を掲げ、発煙弾と催涙スプレーを投げ入れた。議場は黒とピンクの煙に包まれ、混乱が広がった。この混乱を受け、SNS所属のアナ・ブルナビッチ議長は野党を「テロリスト集団」と非難し、強く反発した。
一方、野党側は首相不在の状態では政府に新法案を可決する権限がないとして、会期の無効を主張している。ミロシュ・ブーチェビッチ前首相は駅の屋根崩落事故の責任を取って今年1月に辞任したが、セルビア法では首相の辞任には議会の承認が必要で、30日以内に新政府を樹立するか、早期総選挙を実施しなければならない。
また、議事堂外では、数百人規模の市民が集まり、駅の屋根崩落事故に対する抗議活動を4か月間にわたり続けている。