
農繁期を前に、北朝鮮の農村地域では農業資材と燃料の不足に直面していることが明らかになった。平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は5日、「農村地域では農業生産に必要な資材の供給が全くなく、各市郡の農業部門の資材担当者らの不満が高まっている」とSPNに語った。また情報筋は「平安北道の農村経理委員会傘下の農業資材供給所の倉庫には、資材や設備が見当たらない」と述べた。
そのため、「トラクターのタイヤ、ベアリングなどの農機具部品やビニールシート、ポンプ部品などの需要が増加しているが、製品がなく供給できない状況だ」と伝えられた。特に「農薬やビニールシート、タイヤは市場でも手に入らない」と嘆く声が上がっている。韓国と北朝鮮の関係が良好だった時期には、韓国から大量のビニールシートの支援があった。
一方、農村地域では最近、耕作に必要な軽油の供給が減少し、今年の農作業に支障をきたしていると報告されている。平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は3日、「年間2万トンの穀物を生産する平安南道文徳郡(ムンドクグン)の場合、必要な燃料量の15%程度しか供給されていないとし、「供給指示書は発行されたが、実物がない」と語った。北朝鮮の地方における軽油(1kg)の価格は、3月1日時点で1万9,000~2万ウォン(約1,939円~2,041円)まで上昇を続けている。